10年国債が27年ぶり2%台へ…ベテランFPが読む「金利のある時代」の資産戦略

10年国債が27年ぶり2%台へ…ベテランFPが読む「金利のある時代」の資産戦略

◆10年国債はまだ買い時か

 昨今は日銀の利上げもあり日本の10年国債が節目の2%台に乗ったことが報じられているが……。果たして、今日本の国債は買いなのだろうか。

「利回り2%台に乗った10年国債の投資の対象にするのはまだ早い、ですね。打診買いならばまだしも正直、この水準で10年の固定はしたくありません。よっぽど景気が悪くなる兆候が見えて、他に投資する商品がないときでなければ、まだ買わなくていいです。ほかを見回せば、アメリカ国債の10年物が4.2%、社債を見ると昨年11月にはソフトバンク社債が7年債で3.98%の利回りが付いていたりします。その辺りの商品と比較することになるでしょう」

 日本国債の利回りが上がっているからといって、今すぐに多くの資産を日本国債に投入するのは考え直したほうがいい、というわけだ。

「そのなかでは、1年以内の金利が高い定期預金を選び、毎年繋いでいくという手もあります。当面使う予定のないお金は定期預金に入れて、金利収入を得る。今は金利の上昇局面ですから、つなぎとして使って、ピーク圏が来たら5~10年物の定期預金に入れる。あるいは10年固定の新窓販国債などを購入すればよいのです」

 バブル期以前にはこの方法で財を成した人も一定いたのだそう。時代は巡って金利がある世界になったからこそ、もう一度通用する手法である。同時に深野氏はこれまで持て囃されていた高配当株への投資は要注意と指摘する。

「2026年の高配当株は『逆利回り革命』が終わり厳しい年になる可能性があります。これまで株式投資の配当利回りよりも、債券の利回りが低い状態が続いてきましたが、これは『逆利回り』と言います。本来の正常な経済の状態だと株の金利よりも債券の利回りの方が高い状態になる。ですから、単純な高配当株だけを買うのが危険になる可能性があります」

 まだ、TOPIXの利回りと長期債券を比べると株の方が上回っているが日経平均の単純平均とで比べると株の利回りのほうが下回っている。故に、高配当株を買っていれば安心ではなく、厳選して株を購入する必要性が出てくるのだ。

◆利上げで地銀の再編が進む!?

 もう一つ、深野氏は今後の日銀の利上げに伴って大きく変わるのは金融セクターの特に地銀や信用金庫などであると指摘する。

「金利が上がるなかでは、地銀の再編が進むのではと考えています。金利の上昇により地銀や信用金庫は債券の含み損が積み上がっています。銀行の場合はBIS規制があり自己資本比率を8%以上にするなどあまりリスク資産を持てない縛りがあります。すると、結果的に債券に投資するのですが、金利が上がると含み損になる。地銀の場合、2010年代以前に購入した債券が重しになり、単独で処理できない会社が出てきた場合には、金融庁も指導を行い金融業界の合併を進める可能性があります。大分、地銀の数も減ったとはいえ、金融庁は1県1行体制を諦めていないと思いますね」

 利上げに伴うなかで、地銀の数が減ると覚えておけば、銀行セクターのなかでも狙い目になる株とそうでない株が見えてくるはずだ。利上げに関連して見ておきたいセクターなどはあるのだろうか?

「利上げにより円安が進む状況のなかで日本の産業で核になるものが正直難しいところだったりします。昨今ではIPビジネスで、ソニーやサンリオなどが注目されていましたが、やはり雇用を生み出すかと言われると厳しい。日本は社会インフラが老朽化している国でもあるので、建築業界のなかでも修繕に特化した会社はビジネスチャンスがあるのではと思います」


配信元: 日刊SPA!

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