◆ソフトバンクに立ちはだかる“WBC後遺症”という試練
選手にとってWBCとは、それだけ重圧を背負って戦う大会ということだろう。そこには日本の国民性もあるかもしれないが、WBC後に本来の力を発揮できなくなったり、無理がたたってケガをしたりする選手は、2009年のイチローに限ったことではない。今年はWBCの決勝からプロ野球開幕までは10日ほどしかなく、準々決勝ラウンドまで残ったチームの選手は、帰国後に再調整を強いられるのは間違いない。多くの選手が代表入りを果たしたソフトバンクは、他球団に比べると大きなハンデを背負うことになる。
ソフトバンクは昨季、日本ハムとデッドヒートを演じた末、夏以降に地力の差を見せつけてリーグ連覇を成し遂げた。
今季も優勝候補の最有力として迎えるが、先述した通り、右腕エースの有原が古巣・日本ハムに移籍。パ・リーグはソフトバンクと日本ハムの2強の様相を呈している。
ソフトバンクがWBCの余波で出遅れる可能性は決して低くない。ただし、昨季も開幕から1か月が経過した5月上旬の時点で最下位に沈むなど、春先の戦いには不安を残しているのも事実である。
各国のスター選手をそろえていることが強みのソフトバンクだが、それがペナントレースへ悪影響にならないことを祈るのみだ。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

