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時の流れも金の流れも、残酷なものである。だから、旧交を温めるときには用心が必要だ。同じ釜の飯を食った仲間の今の姿が、在りし日から想像できる延長線上にいるとは限らない。
団体職員をしている佐川祐介さん(仮名・28歳)は昨年、学生時代のとある友人から思いがけない発言を受けて絶縁を決意したばかりという。

◆サークルの同期と久しぶりに集まったのだが…
「大学で同じサークルだった友人たちとの飲み会での出来事でした。メンバー全員が集まったのは卒業以来初めてのことで、楽しみにしていたんです。なかでも大塚(仮名)はここ5年ほどサークルの誰とも会っておらず、みんなで『久しぶりに会えてうれしいね」と言っていたのに……。ショックですね」
大塚さんは、どうやらご多忙の様子だった。しばらくぶりの再会であるこの飲み会すら、遅れての登場となった。
「最初はみんなで近況報告をしながら、学生時代に戻ったような気持ちで楽しく飲んでいました。それこそ、『大塚まだかな』なんて言いながら。やっと大塚が現れたときも、『久々なのに遅れるなんて〜!』と、すでに全員揃っていた我々が囃し立てたのですが、一瞬で空気が様変わりしてしまいました」
なぜなのか。
◆天然キャラのムードメーカーが豹変していた
「大塚はそんな歓迎ムードを冷たくあしらったかと思えば、『ビール注文して』『あとつまみはこれとこれな』と、つっけんどんに女子の同期に命令しだして。大学時代の大塚とはまるで別人の振る舞いで、全員が困惑してしまったんです」かつての大塚さんは、天然キャラなムードメーカーとして親しまれたタイプだったそうだ。
「バイトを遅刻してクビになったり、テストの日程を間違えて単位を落としたりと、失敗も多かったのですが、憎めない愛されキャラだったんですよね。お金の遣い方も計画性がなく、バイト代が入るなりすぐに使い果たしてしまうので、常に金欠。
それでもみんな、『もう大塚はしょうがないな〜!(笑)』などと言いながら、飲み代を貸したり、あるいはほかのメンバーで奢ることも多々あったくらい、慕われていました」
つまり学生当時の大塚さんは、飲み会などでは率先して注文係をやるようなタイプ。だからこそ、抜けたところさえも“かわいげ”だったのだろう。

