4.認定NPO法人として認定されるための条件
ここでは、認定NPO法人になるための認定基準と欠格事由について紹介する。
4-1.認定基準
認定NPO法人として認定されるためには、次の8項目を全て満たさなければならない。
- パブリック・サポート・テスト(PST)に適合すること(特例認定法人は除く)
- 事業活動において、共益的な活動の占める割合が、50パーセント未満であること
- 運営組織および経理が適切であること
- 事業活動の内容が適切であること
- 情報公開を適切に行っていること
- 事業報告書等を所轄庁に提出していること
- 法令違反、不正の行為、公益に反する事実がないこと
- 設立の日から1年を超える期間が経過していること

4-1-1.パブリック・サポート・テストとは
パブリック・サポート・テストとは、NPO法人がどれだけ市民から広く支援を受けているかどうかを判断するための基準。 次の3つのうちいずれかを選んで申請する。
- 相対値基準:実績判定期間中における経常収入金額のうち、寄付金等収入金額が5分の1以上であること
- 絶対値基準:実績判定期間内の各事業年度中の寄付金額の総額が3,000円以上である寄付者が、年平均100人以上であること
- 認定NPO法人の申請書の提出前日までに、事務所のある都道府県または市区町村の条例により、個人住民税の寄付金税額控除の対象となる法人として指定を受けていること
ちなみに「実績判定期間」とは、過去に認定を受けたことのあるNPO法人の場合は、直前に終了した事業年度の末日以前5年(初めて認定を受けるNPO法人の場合は2年)内に終了した各事業年度のうち最も早い事業年度の初日から当該末日までの期間をいう。

また、認定NPO法人の認定基準には、過去に欠格事由(資格要件を欠く理由)が設けられている。
「認定または特例認定を取り消されてから5年を経過していない法人」「国税または地方税の滞納処分の執行がされている、または滞納処分の終了の日から3年を経過しない法人」などの条件があるので、該当しないか確認するようにしよう。
参考:内閣府NPOホームページ「認定制度について/認定の基準/欠格事由とは」(外部リンク)
5.認定NPO法人に必要な書類・情報
認定NPO法人の申請・更新にあたり必要な書類や、整理しておくべき情報はさまざまだ。ここからは「申請・登録時に必要な書類」「更新時に必要な書類」「公開できるようにしておく情報」に分けて紹介する。
5-1.申請・登録時に必要な書類
認定NPO法人として申請・登録する際に必要な書類は次の5種類。
- 認定申請書
- 実績判定期間内の日を含む、各事業年度の寄付者名簿
- 認定基準等を満たすことを説明する書類
- 欠格事由に該当しないことを説明する書類
- 寄付金を充当する予定の、具体的な事業内容を記載した書類
3の「認定基準等に満たすことを説明する書類」には次のようなものが含まれる。
- パブリックサポートテストの基準値を満たしているかどうか示す書類
- 「共益活動の割合が基準値以下であること」を示す書類
- 組織運営や経理の適正を示す書類
- 財産の運用や事業運営の状況を示す書類
- 情報公開の適正を示す書類
- 事業報告書等が所轄に提出されているか、法令順守がされているか、法人の設立後一定期間が経過しているか、を示す書類
- 寄付金の事業用途の見通しを示す書類
なお、所轄庁によって書類のフォーマットや記載内容が一部異なるため、詳細には確認しよう。
また、認定NPO法人の有効期間は5年に限られているため、継続するためには、終了前に更新申請が必要だ。有効期間の満了の日の6カ月前から3カ月前までの間に手続きするようにしよう。
5-2.公開準備しておくべき情報
認定NPO法人として、すぐに公開できるよう準備しておくべき情報として、次のものが挙げられる。
- 事業報告書
- 役員名簿
- 定款
- 認定申請書に添付した、認定NPO法人の基準を満たしていることを示す書類、欠格事由に該当しないことを示す書類
- 認定申請書に添付した、寄附金を充当する予定の具体的な事業内容を記載した書類
- 前事業年度の役員報酬、職員給与の支給に関する規程
- 前事業年度の収益明細
- 特定非営利活動推進法第32条2で定められる書類
- 助成金の支給実績を示す書類
さらに、毎事業年度に1度、所轄庁へ提出する書類として「役員報酬規程等」「事業報告書等」がある。上記の書類は、要求があった場合は事務所で閲覧させなければならないため、すぐに確認できるように情報を整理しておかなければならない。