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NPO法人の人材不足の解決策とは?

3. NPO法人の人材不足がもたらす「負の連鎖」とは

マネジメント人材の不足、脆弱な財政基盤、スタッフの高齢化などの問題は、NPO法人の人材不足へとつながり、そのままにしておくと、やがて重大な「負の連鎖」へと陥ってしまうことになりかねない。

次に説明する問題に直面している組織は、早急に立て直しを図る必要がある。

3-1.事業の質の低下

NPO法人の人材不足は、事業の実施やサービス提供の停滞、サービス品質の低下に影響しやすい。これらは、組織の信頼性や評判にも悪影響を及ぼす可能性がある。

さらにサービスが低下すると、スタッフが社会的意義を実感しづらくなったり、利用者からクレームを受けてモチベーション低下の要因になってしまったりするなどの連鎖が生じかねない。結果として、事業の質がさらに下がるという悪循環の要因になることがある。

3-2.新規事業の停滞

新しいアイデアや事業計画があるにもかかわらず、人材不足のために実行に移せないケースも考えられる。すでに新たな事業を進めていても、人材不足が計画の進捗を遅らせてしまうのだ。

新規事業の停滞は、組織の成長や発展の阻害する要因となり、社会課題への対応が遅れる可能性もある。問題の存在を把握しておきながら、その対策が取れない事態は、NPO法人の存在意義の1つである社会貢献活動にも影響しかねない。

3-3.スタッフの業務負担増による疲弊・士気の低下

人材不足は、既存スタッフの業務負担の増加につながる。負荷の重い状態で事業を継続すると、スタッフが疲弊してしまうだけでなく、組織の将来への不安が広がり、やがて優秀なスタッフの離職を招いてしまう事態を引き起こしかねない。

既存スタッフの離職は、組織で積み上げたノウハウや経験が失われ、さらなる人材不足の深刻化という悪循環に陥ってしまう。組織全体の士気も低下し、さらに離職率を上げてしまうこともある。

3-4.資金調達の困難化

寄付や助成金などによる資金調達を行うには、組織の社会的な信頼度が重要な判断基準となる。しかし人材不足による事業やサービスの停滞、サービス品質の低下は、結果としてNPO法人への信頼を失墜させることになり、資金調達を困難にしてしまう。

NPO法人では、収入源の多様化を課題として抱える組織は多い。人材確保の際は、資金調達のノウハウや知識を持った人材も同時に募るのが理想といえる。

4. NPO法人の人材不足を解消するための戦略

ここからは、NPO法人の人材不足を解消するために実行すべき対策を紹介する。採用活動はもちろん、次の4つのアイデアを参考に戦略を立ててみてほしい。

4-1.ボランティアやインターンの募集

ボランティアやインターンを募り、団体の人材不足を補う。ただ業務を体験してもらうのではなく、継続的な従事の可能性も考慮に入れ、充実した研修制度を整えた上で、組織内に必要な各種人材を募ることが重要だ。

ボランティアやインターンを募集する際は、団体の活動内容、理念、参加によるメリット、ボランティア・インターンに求める業務内容などを、ホームページやSNSを通して明確に伝え、拡散しよう。

4-2.中間支援組織の活用

NPO法人における中間支援組織とは、NPOを支援するNPOのこと。NPO法人の中間支援組織は、ノウハウの提供・マネジメント層を含む人材教育・資金調達の課題解決・運営・組織基盤の強化といった支援を担う。さまざまな中間支援組織があるため、自団体に適した支援を行う支援センターを探そう。

なお、中間支援組織は各地域に設置されており、「地域名 NPO支援センター一覧」「地域名 中間支援組織一覧」と検索することで見つけられる。

また日本財団(外部リンク)も国内最大規模の中間支援組織の1つで、助成制度やネットワーク作りなど幅広い活動を展開している。

4-3.NPO・NPO法人同士の連携や協力

同じ分野のNPO法人、NPO同士で協力することで、互いの組織の強みを活かし、不足を補いながら課題解決を目指す。単純な人材不足の解消だけでなく、コミュニケーションを通した人材の成長、目標達成による団体の成長も期待できるおすすめの対策だ。

互いのネットワークを活用すれば、広報活動の活性化や認知度の向上にもつなげやすい。また、任意団体との協力なら社会的な信用を得る戦略にも活用できる。新規事業の展開や、停滞していた事業の進行など、幅広い問題の解決を目指せるだろう。

4-4.マーケティングの取り組み

採用領域において、マーケティングを活用する手法もある。具体的には、Webでの広報活動、Web広告の運用、広告代理店との連携によるプランニング、ホームページのアクセス解析などの業務を行う。そのほかに、SNS広告やLPの作成など、採用マーケティングは、さまざまなアプローチが可能である。

自団体の目的や使命を明確に伝え、たくさんの人に興味を持ってもらう工夫を凝らして、反響を確認しながらPDCAを回し、採用活動における目標達成を目指していこう。

図:PDCAサイクル
PLAN(計画を作成する)
↓
DO(計画を実行する)
↓
CHECK(行動を評価・分析する)
↓
ACTION(改善し次回に繋ぐ)
この流れを繰り返す
PDCAを実行することで、採用活動を含め、NPO法人の運営にとって重要な社会から「信頼」を得ることができる

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