
花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたい“花”は、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。
そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。
写真/須賀浩二、吉原友美


この連載で紹介している写真は、時々、私が撮影してきたものを掲載することがあります。スマートフォンの写真フォルダに入っているものを見た編集の方が「光がきれいですね」と言ってくださいました。
これはとても嬉しいコメント。
花に光がどう当たっているかはとても大切な要素で、私がいちばん気にしていることだからです。
どんな花も太陽なしでは育つことはできません。
フラッシュが自然光のように再現できたとしても、太陽の光ほど、花の存在感と美しさを引き出してくれるものはないと思っています。
レッスンの最後には、生け終えた花を撮る時間を設けています。
作業台を部屋の中央に置いていても、このときは光がよく入る窓辺などに移動して、その台のまわりをぐるぐるとまわったり、花自体をまわしたりと、陰影によって花の表情がどう変わるかをよく観察してみてください、とお伝えしています。
生けた花をちょっと離れた位置から、客観的に見てみる。
逆に、ズームレンズでぐっと近寄って、人の目では見えない距離で見てみる。
そこには、思わぬ発見があります。
私自身、撮影するときは、花に近寄ったり離れたり、寝そべって近づいたりと人にはお見せできないようなポーズでスマートフォンを構えています。
影があるから、花が美しく見える


最近、朝夕に部屋で過ごしていると差し込む光の角度が変わってきたなと思います。2月の終わりから4月までは、部屋の奥まで光が差し込む季節。このあとは太陽の位置がどんどん高くなり、日照時間は長くなりますが光が差し込む奥行きは浅くなっていきます。
部屋の好きな場所に花を置いて、時間によって変わる光でどう印象がかわるのか、ぜひよく見てみてください。きっと、なにをきれいかと感じるのかとともに、いまのご自身の気持ちの輪郭までも、浮かび上がってくるはずです。
水のゆらぎを透過させるガラスのフラワーベースを
この時期のおすすめは、ガラスのフラワーべース。光を透過させるだけでなく、ベース自体がレンズとなって水が壁や床に乱反射してとてもきれい。ワイン好きな私は、クリアなワインボトルでもいいな、と思っています。
撮影/吉原友美 編集・文/柳澤智子(柳に風)
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