◆生活資金の“逆算”で決めたローン限界額

ZUNDA:2500万円の中古マンションもあるにはあり、内見も一度してみたんですが、耐震性がよろしくなく、最終的に予算は3500万円まで引き上げました。仙台出身で東日本大震災では実家が大変なことになったため、旧耐震の物件はどうしてもNGで、23区の中でも武蔵野台地のエリア、練馬区や世田谷区の駅近マンションに選択肢が絞られていった感じです。
——気に触る質問かもしれませんが、2500万円/3500万円という予算感には、どんな考えがあったんでしょうか? 最近は世帯年収の10倍の住宅ローンを組む話もあるようなので。
ZUNDA:当時の年収的に私も5000万円くらいは借りられたんですが、結局、世帯年収が高くないのに年収倍率が高いと、目の前の生活が苦しくなるんですよね。いわゆるパワーカップルとかなら年収倍率の10倍近く借りても生活しやすいと思うんですけど。
——世帯年収が高いほど年収倍率を上げやすく、手元にお金が残りやすいということですか。
ZUNDA:極端な話ですが、例えば世帯年収2000万円/手取り1400万円の共働き家庭なら、年間1000万円の返済でも、手元に400万円くらい残ります。あまり厳密な数字ではありませんが、額面900万円弱/手取り650万円ほどの私が1馬力で、450万円を毎年返済したら手元には200万円しか残りません。
◆東京で子育てするのは大変
——同じ世帯年収の半分に当たる年間返済額でも、手元に残る金額が全く違うという。
ZUNDA:年間で400万円くらい生活資金があれば、東京でも家族3人で普通に暮らしていけますが、200万だとかなり生活が苦しくなる。急な出費などにも備え、年400万は生活資金を確保したいと考えたら、当時の年収約700万円という状況から、年150万円くらいのローン返済が、やはり限界でした。
——勤続20年、都内IT企業・管理職の1馬力で家族を扶養するリアルをうかがえた気がします。「東京は年収1000万円でもラクじゃない」って、まさにこういう感じだなと。
ZUNDA:東京都内(市町村含む)の子どもがいる世帯年収のボリュームゾーンは600〜800万円らしいので、おそらく東京都の子持ち世帯の多くは私たちのような状況なのかなと。SNSなどで発信されるマンションクラスタの方々の話題は高額なマンションの話が多いので、その意味で普通の人の参考にはあまりならないです。
——ちなみに都区部に絞って検討を進めた理由は何かあるんでしょうか? 基本的には広さより立地重視とのことでしたけど。
ZUNDA:子育て支援がより手厚い23区から出たくなかったというのが、けっこう大きかったかもしれません。いま現在の通勤時間は1時間ほどですが、そこは多少長くても仕方ないと考えていました。
——狭小という点で、夫婦でモメることはなかったんですか?
ZUNDA:どちらかというと、むしろ妻のほうが駅から近い立地を重視していましたね。当初、私自身は郊外の駅から遠い戸建て物件も少し考えていたんですけど。妻の実家が駅近のマンションで、ずっとそういう環境で育ってきたので。
<取材・文/伊藤綾、取材協力/住まいマガジン「スミノバ」>
―[狭すぎる家、住んでみたらこうだった]―
【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

