「ひとりで相続すれば得」の誤算…母と兄を相次いで亡くした60代男性、遺産6,300万円で直面した「数次相続」の落とし穴【相続の専門家が解説】

「ひとりで相続すれば得」の誤算…母と兄を相次いで亡くした60代男性、遺産6,300万円で直面した「数次相続」の落とし穴【相続の専門家が解説】

弟には「相続税2割加算」がかかる

兄の相続では、弟は
・配偶者でも
・子でも
・直系尊属でもない

ため、相続税は2割加算になります。

つまり、

・母親の相続:通常税率
・兄の相続:相続税+20%

という構造です。

「弟ひとりで相続したほうが得」と思っていたのに、 実際には税金が重くなるのです。

「じゃあ、遺産分割協議書で弟が全部相続すれば?」

ここで出てくるのが、この質問です。

「母親の遺産分割協議書で『弟が全部相続する』と書けば大丈夫では?」

結論は、「原則NG」です。

なぜなら、

・協議書は“相続人全員”で合意して作るもの
・兄はすでに亡くなっており、意思表示ができない

兄が相続人であった事実は消えません。

実際の協議書の考え方

【 NG例】(税務署に否認されやすい)

・「母親の財産すべてを弟が相続する」
・数次相続の記載なし
・兄の相続を“なかったこと”にしている

→ 形式は整っていても、実態と不一致

【OKの考え方】

・母親の相続 → 兄、弟が相続人であったことを前提
・兄の相続 → 兄の相続分を弟が承継
・相続関係説明図で2つの相続を明確に分ける

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