公式2:「前年年収<今年の年収」のために何ができるか考える

次に考えされられたのは、「前年年収<今年の年収」という構図をどう作るか、ということです。
FPが提案書を作る時、長期的な家計のモデルを検討します。このとき、「前年年収+3%」が翌年の年収であると便宜的に決めて数十年スパンの表を作ります。
仮に年3%ずつ上昇すると、初任給20万円の人も、20年後には年収は1.8倍の36万円まで高まります。しかし、自動的に36万円まで増えるものでしょうか。世の中、なんとなく年収が上がるわけはありません。
自分の価値を高めて、それを会社に認めてもらい、年収を増やす努力をしないと、いけないなと思ったものです。
私の場合は転職をしたり独立せざるを得なくなったりと、普通の会社員には参考にならない人生となりましたが、皆さんは働き続けている今の会社で「前年年収<今年の年収」とするため、何ができるか考えてみてください。
特に昇格昇給の仕組みを知ることは「会社のルールブック」を知ることです。なんとなく「主任、係長、課長補佐、課長、副部長、部長……の順番なのかな」と考えているだけではいけません。
なお、給料がアップしているけど、物価が上がっている分に応じた値上げに留まる場合、これは実質的にはプラマイゼロです。自覚的に取り組む年収アップでは、「物価上昇率以上の『<』」を意識することが大切です。
公式3:「物価上昇<資産価値上昇」のために投資をしておく

物価上昇率、というのは、私がFP資格を取得した20歳代の頃にはあまりピンとこなかったテーマです。デフレの時代には、物価上昇率がほぼゼロだったので、給与が増えればそれは手取り増であり生活水準の向上とイコールでした。
しかし今、物価の上昇が始まっています。食品価格は数年で何十%も値上がりしました。2025年はお米の値段が一気に2倍になったことがニュースとなりました。
現代において真剣に考えなければならない「<」がもうひとつあります。それは「物価上昇<資産価値上昇」というものです。物価上昇率以上に手持ちのお金を増やしておかないと、それは実質マイナスです。
銀行預金金利は安全・確実である代わりに、物価上昇率を下回ってしまいます。もし物価上昇率を上回る資産価値の増大を目指すなら投資の力を借りるしかありません。
一時期、「R > G」という公式が話題となりました(経済学者のトマ・ピケティが「21世紀の資本」において提唱したもの)。実はこれも、投資の重要性を示したものです。
幸いにして、NISAやiDeCoといった税制優遇のある制度が用意されており、個人の資産形成をサポートしてくれます。これらの制度を活用して投資をすると、運用収益は非課税となり、有利な資産形成となります。私がFP資格を取得した1998年にはなかった制度であり、若いうちから利用できるなんて、うらやましい限りです。
今の時代に暮らす20~30歳代にとっては、お金を上手に増やすチャンスとなっています。投資によって得られる「<」を上手に活用してみてください。
