
かゆみ、ごわつき、つっぱり感、赤み、腫れ、熱感⋯⋯。春先になると、こうした「肌のゆらぎ」が気になる人も多いのではないでしょうか。
スキンケアだけではなかなか太刀打ちできないこれらの症状は、東洋医学による体の外側✕内側からの両面ケアで対処していきましょう。
さまざまな要因がからみ合って引き起こされる「肌のゆらぎ」

なぜ春になると「肌のゆらぎ」が現れるのでしょうか。
その原因は体の外側と内側で、いくつかの要素が複雑にからみ合って生じています。
東洋医学では、季節特有の気候変化が激しくなると不調の原因になるという考えがあり、これを「邪気(じゃき=不調の原因)」と呼んでいます。そして春は風がよく吹くことから、「風の邪気」である「風邪(ふうじゃ)」が強くなるとされています。ちなみに風邪は一般的には「かぜ」と読みますが、東洋医学では「ふうじゃ」と読み、感冒のことではなく感冒の原因にもなることがある「風の邪気」をさしています。(ここでは「風邪」は「ふうじゃ」の意味でとり上げていきます)
風邪には皮膚の毛穴をこじ開けて体内に侵入する特徴があり、体内に侵入した風邪は皮膚を乾燥させてかゆみやひりつき、つっぱり感などの原因となります。また風邪は異物を体内に運ぶ性質もあり、花粉やPM2.5などの皮膚への影響も風邪がもたらす不調と言えるでしょう。この時期はまず、この風邪による体の外側からの影響が肌のゆらぎに大きく関わっています。
一方体の内側では、この時期になると体表面に余分な熱がたまりやすくなります。春は五臓の「肝(かん)」の働きがさかんになるのですが、肝には体内のエネルギーを上向き、外向きにめぐらせる「疏泄(そせつ)」という作用があり、この疏泄が過剰に働きすぎると余分な熱が顔面や体表面に集まってしまうのです。この肝の高ぶりによって生じた熱は「肝火(かんか)」と呼ばれ、皮膚の赤みやかゆみなどの原因となります。
さらに更年期女性の場合、潤いが不足しているために肝火の熱を冷ます水分が足りず、炎症や熱感が現れやすくなります。また、体内の潤いが不足すると皮膚のバリア機能も低下してしまうため、風邪の刺激に過敏に反応してしまうのです。
このように外的要因と内的要因、季節的要因と年齢的要因とがからみ合う、肌のゆらぎ。次からは症状別に、体の外側✕内側からの養生法をご紹介していきましょう。
赤みや炎症が気になる人は、「肝火(かんか)」を冷ます外側✕内側ケア

肝火が強く、顔面に余分な熱がたまっていると、赤みや炎症、熱感、ほてりなどが強くなります。この場合、最も重要なのは肝火を冷ますこと。肝の熱を冷ます性質があるトマト、白菜、セロリ、ミントなどをよくとるといいでしょう。
また、いちご、みかん、レモン、キウイフルーツ、梅干しなどの酸味の食材には収れん作用があり、強すぎる肝火を抑える作用が期待できるので、ほてりや熱感が強い人にはおすすめ。ただし、冷えている人や体質が弱い人の場合は、酸味が肝の働きを抑えすぎてしまう可能性があるので控えめにしましょう。
肝は目に通じているため、目を休ませることが肝を休ませることになり、肝火を抑える一助にもなります。昼休みの時間帯に数分間目をつぶって肝を休ませましょう。可能であれば15分ほど横になり目を閉じて過ごすと、体内をめぐっている「血(けつ≒血液)」が肝に戻り肝火のクールダウンにつながります。このとき、眠っても眠らなくてもどちらでも構いません。
スキンケア面では、油分の多いクリームやオイルで肌に熱を閉じ込めてしまわないように注意。赤みや炎症が強い場合は、さらっとしたローションや水分の多いジェルなどを選んで、熱の放出を妨げないようにしましょう。スキンケア成分では、甘草(カンゾウ)エキス、紫根(シコン)エキスなどの抗炎症作用が期待できる生薬がいいでしょう。

