かゆみが気になる人は、「血(けつ)」を補う外側✕内側ケア

ムズムズとしたかゆみが気になる人は、皮膚に栄養を届ける血が行き渡らないために、皮膚の保護膜にすき間が生じ、風邪が侵入してかゆみを引き起こしている可能性が高いです。この場合、血が不足している「血虚(けっきょ)」と考えられるので、血を補って皮膚に栄養を届けるいか、牡蠣、にんじん、ほうれんそう、黒ごま、くこの実、加熱調理したれんこんなどの食材をよくとるといいでしょう。あわせて皮膚のすき間をカバーして潤いを閉じ込める豚足、手羽先、やまいも、白きくらげなどの食材もとり入れて。スパイス料理、アルコール、揚げものなどは刺激が強くかゆみを悪化させる可能性があるので、控えめにしましょう。
特にかゆみがひどい日は、23時までの就寝を徹底して。23時~深夜3時は、日中に体内をめぐり続けていた血が肝に戻り、解毒作用によってその日1日分の老廃物を浄化して新鮮な状態へとリフレッシュしてゆく時間。この時間帯に睡眠をとることが、血の栄養を高めて皮膚に栄養を行き渡らせ、かゆみをやわらげる一番の近道です。
スキンケア面では、洗いすぎないことを意識するといいでしょう。血虚タイプは皮膚を守る皮脂の保護膜を作る力が弱まっているので、かゆみが激しい部位は洗顔料やクレンジングの使用を一時的に中止し、ぬるま湯(30〜32℃)ですすぐだけにするのが最も安全です。やむを得ずクレンジングなどが必要な場合も、脱脂力がおだやかなミルクタイプやクリームタイプなどを選んで。オイルクレンジングは脱脂力が強いので、血虚タイプの肌には負担になることが多いです。スキンケア成分では、ハトムギエキスなどの高い保湿作用が期待できる生薬や、ドクダミエキスなどの抗菌・鎮静作用がある生薬などが適しています。
乾燥やごわつきが気になる人は、「肺の潤い」を補う外側✕内側ケア

皮膚を乾燥などから守るバリア機能は、「気(き=エネルギー)」と水分(体内の潤い)によって構成されています。しかし更年期になると体内の潤いが減少するため、バリア機能も低下。乾燥に弱くなり、皮膚が硬くごわついたりつっぱり感が強くなったりする傾向が現れてきます。特に春は肝の働きが強くなることで五臓の「肺」の働きが抑制されやすいのですが、肺は皮膚にもつながっているので、肺の働きが抑制されると皮膚の潤いやバリア機能が低下しやすくなるのです。
そこでこの時期の皮膚の乾燥には、肺の潤いを補うアスパラガス、小松菜、やまいも、白きくらげ、白ごま、いちご、たまご、チーズ、はちみつ、くこの実などの食材をよくとるのがおすすめ。さらに、肝の潤いを補う牡蠣、ほたて、あわび、とこぶし、ムール貝などもプラスするといいでしょう。一方、唐辛子、山椒、しょうが、にんにくなどは体表面の水分を発散させる性質があるので、乾燥やつっぱり感が気になるときは控えめに。
ごわつきの原因は、角質層が乾燥して硬くなっているため。このごわつきを汚れと勘違いして洗浄力の強い洗顔料で洗おうとしたり、ピーリングなどでこすってはがしたりするのは厳禁です。洗いすぎないように、洗顔料を使うのは夜だけにして、朝はぬるま湯洗顔のみに。ごわつきが強い場合は、洗顔後に人肌より少し温かい蒸しタオルを30秒~1分程度顔に乗せて角質をやわらかくしてからスキンケアをすると、保湿成分が角質によく浸透します。なお、肌に赤みや熱感、かゆみなどがある場合は、蒸しタオルは刺激になってしまうので控えましょう。スキンケア成分では、保湿作用があるハトムギエキスのほか、ヒアルロン酸以上の保水力を持つと言われ、角質をやわらかくするシロキクラゲエキスなどの生薬がいいでしょう。
更年期世代にとって、外側だけでなく内側からもケアすることは、肌のゆらぎ対策の心強い味方となるはず。変化を恐れずに、しなやかに春を過ごしていきたいですね。
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