40代で発覚する人も急増…3つの事例でわかる「グレーゾーン社員」の特徴。ハラスメントにならない接し方も紹介

40代で発覚する人も急増…3つの事例でわかる「グレーゾーン社員」の特徴。ハラスメントにならない接し方も紹介

◆それぞれの特性に合った対処法とは

では、どう対応すればいいのか。最も効果的かつシンプルなのは環境調整だ。

「音に敏感な人はコピー機から離れた席にする。この人とだけは合わないという場合は席を離す。居酒屋での懇親会が苦手なら、静かな個室にしたり、参加自由制に変更することです」

ASD傾向の人には、理由を添えて説明することも有効だ。

「会議で相手を論破してしまったDさんのケースでは、『今の言い方は相手を傷つけたと思うよ。なぜなら、人前で否定されると面子を潰された気持ちになるから』と伝えるといいと思います。感情論ではなく、論理で説明することで理解しやすくなります」

人事や管理職がグレーゾーンについてある程度理解を深めることができれば、対応は変えることができる。

「『ただのわがまま』と捉えるか、『環境を整えれば改善できる特性』と捉えるか。組織として理解することが、お互いの生きやすさにつながるのです」

管理職にしない、適材適所に配置する、といった人事の調整も有効だ。細やかな配慮の積み重ねが、職場全体のストレスを減らしていく。

◆「もしかして自分も?」セルフチェックと相談先

自分がグレーゾーンかもしれないと感じたとき、どう判断すればいいのか。

「一番のヒントは、今の職場環境に無理なく適応できているかどうかです。

遅刻を繰り返す、指示が理解できない、周囲とうまくいかない……こうした困りごとが続くなら、グレーゾーンの可能性があります」

相談先は困りごとによって異なる。職場の騒音が気になる場合は、上司や人事に「静かな席に変えてほしい」「耳栓の使用を許可してほしい」と配慮を求めることができる。

職場で相談しづらい場合は、発達障害の専門医がいる病院の受診も一つの方法だ。

「受診するときは、『発達障害かもしれない』とはっきり伝えることが重要です。曖昧だと、適応障害やうつ状態の診断だけで終わってしまうことがあります」

何より大切なのは、一人で抱え込まないこと。周囲の理解と適切な環境調整があれば、グレーゾーンは必ずしも「障害」にはならず、「特性」としてとらえることもできる。

そうすることで、職場でもプライベートな人間関係でも悩むことは少なくなり、ぐっと生きやすくなるだろう。

<取材・文・写真/安倍川モチ子>

【舟木彩乃】
心理学者(筑波大学大学院博士課程修了/ヒューマン・ケア科学博士)。公認心理師・精神保健福祉士。官公庁カウンセラー。株式会社メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。博士論文の研究テーマは「国会議員秘書のストレスに関する研究」(筑波大学大学院専攻長賞受賞)。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁や地方自治体のメンタルヘルス対策に携わる。Yahoo!ニュース エキスパート オーサーとして「職場の心理学」をテーマにした記事・コメントを発信中。

【安倍川モチ子】
東京在住のフリーライター。 お笑い、歴史、グルメ、美容・健康など、専門を作らずに興味の惹かれるまま幅広いジャンルで活動中。X(旧Twitter):@mochico_abekawa
配信元: 日刊SPA!

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