代表的な品種

シンビジウムは品種改良により、3,000種以上の品種があるうえに、毎年新たな品種が生まれています。代表的な品種とその特徴などを簡単にご紹介します。
「プリンセスマサコ」は、皇后雅子さまにちなんで作出された、白が基調の花びらに仄かに色づくピンク色が上品な印象の品種です。
「サラジーン’アイスキャスケード’」は、花が垂れ下がる下垂性の品種です。可憐な白花を枝元から鈴なりに咲かせ、華やかな雰囲気があります。

「森の精」は、小型で可憐な花が可愛らしいテーブルシンビです。「花あかり」「のぞみ」「うらら」など、さまざまな品種があります。花立ちがよく、育てやすいのが特徴です。
「和蘭」は、シンビジウムと東洋蘭を交配して誕生した、ニュータイプのシンビジウムです。東洋蘭の清楚さと、西洋蘭の華やかさを併せ持ち、独特の雰囲気があります。「夕霧」「おぼろ月」「丹頂」などの品種があり、いずれも個性的な佇まいです。
代表的な洋ランの仲間
シンビジウムとともに、代表的な洋蘭の種類として、カトレア、オンシジウム、デンドロビウム、コチョウラン(胡蝶蘭)があります。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
カトレア

中南米原産。花の色が鮮やかで、香りもよい種が多いことから、「洋蘭の女王」といわれています。
オンシジウム

中南米原産。黄色い小さな花を多数咲かせるのが特徴で、ピンクや赤色の花を付ける種類もあります。
新しい年を清々しく晴れやかに! 黄色が鮮やかなオンシジュームのお正月アレンジデンドロビウム

東南アジア原産。太い茎にたくさんの可憐な花を付けます。比較的丈夫で育てやすいので初心者向けです。デンドロビウムには、胡蝶蘭に似たデンファレ系、寒さに強いノビル系、強肩なキンギアナム系、フォーモサム系、下垂タイプ、カリスタ系、クールタイプなどさまざまな種類に分かれます。
【プロが解説】洋ラン「デンドロビウム・ノビル系」の育て方コチョウラン

東南アジア原産。1本の花茎に大輪の花が連なるように咲き、豪華で気品のある姿と花もちのよさから、贈り物や開店祝いとして人気があります。
高級感のあるコチョウラン(胡蝶蘭)! 長く楽しむための上手な管理方法を教えて!シンビジウムの12カ月栽培カレンダー

開花時期:12~4月
植え付け・植え替え:3〜4月
肥料:4〜9月
シンビジウムの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】
日当たりのよい場所を好みますが、5~9月は日差しが強すぎるため、葉焼けを起こす可能性があります。日陰の風通しのよい場所に移すか、遮光ネットなどをかけて直射日光が当たらないように管理しましょう。
【日当たり/屋内】
日当たりのよい窓際がおすすめですが、日差しが強いときはカーテンを引き、直射日光が当たらないようにしましょう。
【置き場所】
真冬以外は屋外での栽培がおすすめです。長く日光が当たる場所に置き、日差しが強くなってきたら遮光ネットを使うなどの対処が必要です。
耐寒性・耐暑性
シンビジウムは耐暑性は強いものの、耐寒性はやや弱い植物です。屋外で栽培している場合、気温が7度を下回る時期は室内に移しましょう。また、日当たりを好むものの、強い日差しは葉焼けの原因になるので、夏の直射日光は避けましょう。
シンビジウムの育て方
用土

鹿沼土や赤玉土などはシンビジウムにとって保水性が高すぎ、根腐れしやすいので控えましょう。バーク単体や、軽石とバークを混合したもの、あるいは日向土とパーライトを混合したものが適しています。また、洋ラン専用に配合された培養土も販売されているので、配合の割合が分からない場合は、手軽な市販品もおすすめです。
水やり

屋外で管理している場合は鉢内の乾きも早いため、1~2日に1回はしっかりと水やりをしましょう。屋内や冬季は土の乾きを見て、鉢が軽くなったと感じたら水やりを。
肥料
肥料は成長期の4~9月くらいまでは置き肥に加え、2週間に1回を目安に液肥を与えましょう。
注意する病害虫

屋外管理の際は、夏の蒸れと長雨などの影響で「軟腐病」になることがあります。予防のためにも、軒下など直接雨が当たらない場所で管理しましょう。またカビやウイルスなどの影響で、葉が斑点状に黒くなったり、枯れ落ちたりする場合があります。殺菌剤などをこまめに利用し、予防しましょう。屋外や風通しの悪い場所では、ハダニやアブラムシ、ナメクジなどが発生することがあります。予防として、置き型の忌避剤を利用するか、こまめに葉水を行いましょう。もし発生してしまったら早めの対応が一番です。必要に応じて殺虫剤などを活用しましょう。
シンビジウムの詳しい育て方
苗の選び方
苗を選ぶ際は、株元のバルブが太く、葉色が濃い苗がおすすめです。ギフト用には、花がたくさん付いていて、開花が7割ほどの状態のものを選ぶと良いでしょう。
植え付け・植え替え

用意する鉢は、株の大きさにもよりますが、5号鉢から8号鉢程度にしましょう。また縦に根が張るので、深さのある蘭鉢が適しています。鉢底石を2cmほど敷き、その上に水はけのよい洋ラン用の用土を入れてシンビジウムを植え付けていきます。その際、枯れた根や黒くなっている根は殺菌したハサミなどで取り除きます。シンビジウムの根は太いので、植え付けの際は鉢を叩いたり、割り箸などを使ったりして、根と根の隙間にもしっかりと用土が詰まるようにしましょう。
シンビジウムは活発に根が生育するため、2~3年に1度は1回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。植え替え適期は3~4月です。植え替え後はたっぷり水を与え、2週間程度は日陰に置くようにしましょう。
日常のお手入れ

シンビジウムはバルブが充実すると、いくつもの脇芽(新芽)を形成します。放っておくと養分が分散して花芽がつかない場合がありますので、生育のよい新芽を1~2本残し、他はすべて取り除きます(芽かき作業)。
花芽が伸びてきたら、柔らかいうちに花茎をまっすぐ伸ばすために支柱を立てます。最初から強引に支柱に沿わせようとすると茎が折れる恐れがあるので、茎の様子を見ながら徐々に支柱に近づけるように誘引しましょう。
増やし方
シンビジウムは株分けで増やすことができます。バルブや新芽が増えてきたら、春の植え替え時期に株分けをします。バルブ3つで1株を目安に、ナイフやはさみで切り分けて植え付けます。このとき、中身がスカスカのバルブは株分けに適さないので、外しましょう。
シンビジウムのよくある栽培Q&A
シンビジウムをもらったら?
シンビジウムの花は長もちするので、2カ月ほど楽しむことができます。ただし、翌年以降も花を楽しみたいのであれば、満開後1カ月程度で花茎を根元から切り取りましょう。花に養分を取られすぎて株が弱るのを避けるためです。切り取った花は切り花として楽しめます。あとは、ここまで紹介してきた方法で管理すれば、翌年以降も長く楽しめるでしょう。
伸びてしまったシンビジウムの葉は切ってもいい?
シンビジウムの葉は日照不足によって、薄く細長く伸びてしまいます。そうなった場合でも、葉は切らないようにしましょう。明るい環境に移し、しっかりした葉を出させて、細長い葉が自然に落ちるのを待ちましょう。 11-3 根詰まりしている株は植え替えが必要?
根詰まりしている株は植え替えが必要?

シンビジウムはやや根詰まり気味のほうが、花がよく咲きます。鉢から溢れそうなほど根詰まりしている場合は植え替えが必要ですが、夏の花芽形成時期は根が詰まっているくらいがベストです。根に余裕があると、葉ばかりが伸びてしまい花が咲きにくくなるので、植え替えの鉢はあまり大きすぎず、1回り大きいくらいの鉢を選びましょう。
シンビジウムは外に出してもよい?
シンビジウムは日光を好むため、春から秋にかけては屋外の風通しのよい場所で育てましょう。ただし、急に明るい環境に移すと葉焼けを起こすことがあります。徐々に慣らすようにしましょう。夏の直射日光も日焼けの原因になるので、遮光ネットをかけるなどの対策が必要です。冬の置き場は屋内がおすすめですが、暖房が効いた部屋は避け、1日の寒暖差が大きくならないように気を付けましょう。
育てやすい洋ラン! シンビジウムを楽しもう

シンビジウムは、胡蝶蘭などほかの洋ランと比べて維持管理がしやすく、上手に育てれば、翌年以降も見事な花を咲かせてくれます。また株分けをすることで鉢数を増やすこともでき、年を追うごとに花数が増すという楽しみがあります。ぜひお気に入りのシンビジウムを見つけ、育ててみてください。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
