いつまでも輝く女性に ranune
「肌が黒いコンプレックスが自信に変わった」ギャル男会社員が振り返る、令和の時代に足りないもの

「肌が黒いコンプレックスが自信に変わった」ギャル男会社員が振り返る、令和の時代に足りないもの

◆平成の時代は「下」を向かずに「前」を向いていた

現在はTikTokを中心としたショートムービーに特化した広告代理店のstudio15で働く阿部さん。直近で話題の「平成レトロブーム」について、どのように感じているのだろうか。当時と令和の今を対比して思うのが、平成の時代はいつも前を向いていた感覚だったと話す。

「平成のアイテムと言えば『写ルンです』や『ガラケー』、『プリクラ』、あとは『現金』とかもそうですけど、なんか“エモさ”がありますよね。どこか“不器用”だけど勢いがあって、突き抜けていたと思うんです。不完全さの中にあるエネルギーというか、アナログだけど等身大で肯定的な印象を持つものが多かった。ガラケー全盛の頃は視線もコンテンツも前向きだったなと感じています」

今の時代は多様性と言いつつも、SNSが発達したことによる閉塞感や生きづらさが顕在化している。人気になっていく有名人も、あえて顔を出さなかったり個性を尖らせたりすることで注目を浴びているが、「平成の時代は別に尖らなくても良かった」と阿部さんは言う。

「平成の頃は、安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんのように、誰もが憧れる絶対的な存在がいましたよね。一方、今の有名人やインフルエンサーは、あえて個性を尖らせたり、ファンとの距離を縮めようとしたりする傾向が強く、その結果、受け取る側が少し疲れてしまっているのではないかと感じます。

だからこそ、最近は『やっぱり平成カルチャーの方が良かった』と思う人が増えているのかもしれません。当時は、周囲に過度に気を使わず、自分の好きなことに素直に向かっていける空気があって、他人からあれこれ言われることも今ほど多くなかった。やりたいことを自由にできる雰囲気が確かにあったと思います」

実は今、阿部さんの会社では「平成レトロ」をテーマにしたショートドラマを制作していて、再びあの時代の熱狂が迫りつつあることを感じているそうだ。

過去を単に懐かしむのではなく、平成の時代が持っていた前向きなエネルギーを今に活かす。平成の“突き抜けた自由さ”が、令和の時代に足りていないからこそ、もっと前を向けるような企画を作りたいと阿部さんは意気込んでいる。

<取材・文/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ