スーツにスニーカーを合わせる方が本当に増えました。ビジネスカジュアルの浸透によって、いわゆるビジカジシューズはもはや常識といってもいいでしょう。この流れはここ数年に限ったものではなく、ターニングポイントは、2011年、東日本大震災だったと思います。震災以降、歩いて帰れる靴の需要が増加し、当時、私は靴修理をしていたのですが、この日を境に革靴・パンプスの修理が一気に減り、革靴の需要はなくなっていくのだと実感したことをよく覚えています。
しかしスーツにスニーカーというのは、言うは易く行うは難し。単に歩きやすく快適なだけではなく、マナーの要素も入ってくるので、迷子になってしまう方が多いものです。そこで、①快適に歩ける、②マナー的にもOK、③ダサくないもの、の3条件を満たすビジカジシューズを紹介します。
◆革靴以上にすっきり。スーツに似合うパトリック「パンチ14」

フォルムはへたな革靴よりすっきりしていて、上品の一言。ベースがテニスシューズなので、通常はアスファルトの上を前だけに進む動作には適していないのですが、パトリックのパンチは例外中の例外。ソールがきちんと曲がるべきところで曲がります。
◆革靴×スニーカーの頂点。なのに1万円台で手に入るコールハーン「ゼログランド プレーントゥ」

日本の革靴メーカーもビジカジを頑張ってはいるのですが、価格が2万~3万円とやや高めの割には歩き心地がそこまで良いわけではありません。コールハーンのこのモデルはABCマートとのコラボで、価格も1万4300円と良心的。
見た感じは完全にクラシックシューズです。なかでも面接や冠婚葬祭に最適な「プレーン」と呼ばれるデザインで、ややかしこまったシチュエーションでも大丈夫です。
そして、とにかく底がすごい! ナイキ時代に培った技術をさらにアップデートさせ、へたりづらくクッション性抜群の発泡スポンジ製。一番削れやすいカカトの外側と、つま先の先端には強化ラバーを取り付けて耐久性も抜群。幅がかなり広く、甲も高めなので「ザ・昭和型」の足型の方には最適です。

