
文具のとびら編集部
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんが2026年に初めて購入した文房具を紹介してもらいました。
第1回目はきだてさんの初文具です。
(写真左からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2025年11月7日撮影
*鼎談は2026年2月23日にリモートで行われました。
両面にメモを入れられるから便利!
「レザフェスU スライドメモパッド」(キングジム)*関連記事
――今回のテーマは、「今年の初文具」です。2026年になって初めて買った文房具を紹介してください。まずはきだてさんよろしくお願いします。
【きだて】すいません、俺は年初に買ったものではなくて、正確には年初にサンプルを送ってもらった的な感じなんですけども、キングジムの「レザフェスU スライドメモパッド」です。普段から割とメモパッドを、机で仕事する時はよく使うし、外出てる時もメモ取ることは多いんだけれど。そうなってくると、メモの散在問題というか。
【高畑】ああ、いろんな所にあるっていうこと?
【きだて】そうそう。「あれ、どこに書いたっけ?」みたいな感じで、卓上のメモパッドを調べて、そこになければ持ち歩いてるメモの方を調べるとかすごい面倒くさかったわけですよ。
【他故】ああ、あるよね。
【きだて】本当は手持ちのメモ帳1本に絞った方がいいのは分かってるんだけど、卓上用のメモパッドが好きで、どうしても使いたい。ページがいっぱいあるメモパッドって、なんか頼り甲斐があっていいじゃん。
【他故】おお、なるほど(笑)。
【きだて】メモパッドがすごい分厚い状態であるっていうだけで結構心安らぐ。だから、分厚いメモパッドを普段は卓上に置いて使って、外へ出るときもそのまま持って出たいぐらいなのよ。本当は。
【高畑】なるほど。
【きだて】メモパッドを持ち歩く用のメモカバーみたいなのも使ってみたことはあって、それはそれで使えるんだけど、それだと本当にただ持ち出せてるだけであまり面白くない。というときに、ちょうどキングジムから「こういうの出します」っていうのでサンプルを送ってもらったんですけども。
【他故】うん。
【きだて】これね、レザー調のカバーを開くと、見開きで左と右の両方にメモが備えられるのね。右側は、スライドクリップで紙をはさんでメモ帳になりますという。これA6だから、A4のコピー用紙を「ヨンブンカッツ」で切るといくらでもメモ用紙が作れるわけですよ。
手のひらサイズのA7と文庫本サイズのA6をラインアップ
【高畑】そうだね。
【きだて】それとは別に、左側は差し込みポケットになってるので、卓上用メモパッドの裏表紙をここにガサッと差し込むと、それだけで持ち歩けるようになると。
【他故】なるほど。
【きだて】最初にリリースを見た時は、「えっメモが2面あってもしょうがねえじゃん」という風に思ってたんだけど、改めてよく考えると「いや、これ違うぞ」と。俺は今のところ左側のポケットにメモパッドを差して使ってるんだけど、空いてる右側のスライドクリップの方は、例えばミーティングの時には喋りたいネタとかアジェンダをプリントアウトして挟んでおくのね。そうすると、右側を確認しながら左側でメモが取れる。あと取材の時も、聞きたい質問の内容を右側に挟んでおいて、左側でメモを取るとか、そういう使い方ができる。
【他故】うんうん。
【きだて】逆に、こちらのスライドクリップでメモ取りたいっていう場合は、コピー用紙を切ったメモ用紙にメモ取るでしょ。で、紙面が書き込みで一杯になったらクリップから引き抜いて、左側のポケットに入れちゃう。
【他故】そうか、収納ポケットってことね。
【きだて】こうすると、スライドクリップのメモ用紙は、常に最新の白ページが見えているし、これまでの書き込みは左側にストックしておく使い方ができるわけ。だから「どっちをメインに使っても普通のメモより便利じゃない?」と思って。
【他故】お~。
【きだて】実際にしばらく使ってみてるんだけど、左側のメモパッドにはたっぷり書けて、それとは別に大事な情報は右のスライドクリップ側に抜き出しておくと、とにかく書きやすいし情報が閲覧しやすい。
【他故】そうか。
【きだて】閲覧したい情報と、書き込みたい面は分けてた方が楽だよね、当然。
【高畑】まあね。
【きだて】情報が混ざらないのでスッキリするし、かといって閲覧用情報に書き込んじゃダメってこともないし。メモ2面があるとそれだけ自由度すごい広がるなと思って、特に感心した次第なんですよ。
【他故】へえ、いいじゃないですか。
【きだて】メモ取る人はね、これいいぞと思って。
――それ、取材メモにすごいいいじゃないですか。
【きだて】実際ね、結構助けられてる。
――確かにメモに質問事項を書いても、いちいちそこにまた戻らなきゃいけないとかありますものね。
【きだて】そうそう、あれが結構面倒くさいし、次に質問をしたい時に「あ、質問書いたページどこだっけ?」ってワタワタすることとかあるんですよ。インタビューとかする時も常時確認したい情報は分けて掲示して、書き込みは別のメモにすると、どちらも視認性がいい。おかげでメモを取る時の迷いがなくなりました。メモ帳を普段から使う人には絶対に便利だと思うよ。
【他故】ほう。
【きだて】で、卓上で使うときは、カバーを折り返した状態でメモパッド面を上にして置いとけばいいし。
【他故】ああ、そうかそうか。
【きだて】デスクトップのメモはこのままできるし、これでちょっと使いづらいなと思うようだったらカバーから外して、出る時だけこのカバーに入れれば済む話だし。で、入れるのも別に面倒くさくない。普通に差すだけだしね。
【他故】うん。
【きだて】しかも、これ分厚くて結構硬いのね。なので、立ったまま筆記も全然普通にできちゃうし。
【他故】硬いのはいいね。
【きだて】結構ね、メモに不満がなくなったぞと思って。
――それ折り返せるんですね。
【きだて】そう、360°折り返せて。あと、この折り返しの背マチの部分に、ちょうどA6だと普通にボールペンが挿せる。ちょうどジャストサイズぐらい。A7の方はさすがにね、ちょっと長さが足りないので、ペンが出ちゃう。ゼブラの「SL-F1」みたいな手帳用の短いやつじゃないとちょっと厳しい 。
【高畑】「ユニボールワンP」とかあの辺は?
【きだて】「ワンP」だとね、太過ぎた。
【他故】中には入れられないか。
【きだて】「ワンP」とか「エアプレス」あたりのショート軸は若干太いので、厚いメモパッドだと干渉しちゃう。スライドクリップメモだけならいけるかな。
【高畑】「アンテリック」の短いのあるじゃん。3分割してて真ん中抜いたやつ。
【きだて】そうそう。ああれぐらいはいける。
【高畑】あんなのがいいかもね。あと万年筆だったらショートボディがあるけどね。でも、きだてさんは普段万年筆使わないもんね。
【きだて】うん。立ったまま筆記にも向かないじゃん。
【高畑】まあ、乾きが遅いっていうのはちょっとあるかもね。
【きだて】あとは、キャップがあると面倒くさいじゃん。
【他故】それもそうか。
【きだて】コンパクトさで考えるとA7使いたいんだけど、卓上メモと兼用ってことを考えると、A6の方がサイズ的にも便利かな。もちろん人それぞれだろうけど。
【他故】おーなるほど。
【きだて】ただね、キングジムのプレスリリースでは、このスライドメモ側ばっかりメインで紹介されてるのね。紙を切ってメモ用紙を量産できるだけが売りなのかな、みたいに見えちゃう。2面どっちとも使えて、どっちをメインで使っても便利っていう面白さはね、もうちょっとメーカーがアピールしたほうがいい。
【高畑】これは左右が別のメモじゃん。いわゆる。一方が綴じメモで、もう片方がバラのメモじゃない。これが違ってるっていうことが良いってことだね。
【きだて】そうそう。
【高畑】だから、普通の綴じメモが2つ入ってるよりは、そっちの方がずっと良いってこと?
【きだて】ずっと良い。
【高畑】なるほどね。
【きだて】しかも、どっちかを使わなくていいんだなっていうのに気づくと、より便利になるという。だから、俺が使うときは、右側は使わなくて、本当に情報の掲示をするだけで持ち歩いてる状態。
――スライドクリップがある方ですね。
【きだて】何かあったときだけここに差し込む。例えば、ToDoリストとかここに差し込んで持っていくとか、そういう使い方もできるわけ。
【他故】うんうん。
【きだて】あとは、手書きをあんまりしたくないので、別に手書きのものじゃなくて、プリントアウトしたものを4分割にして持っていけば済む話だなっていうのもあるし。そっちの方がまあ見やすいじゃん。自分の文字よりプリントアウトした方が。結構ね、自由度が高く遊べる。そこが推しポイントですよ。
【他故】面白いな。
【きだて】大分ね、メモ生活が変わるぞと思って。
【高畑】ホームページを今見てるんだけど、「メモにも対応」って書いてあるんだよね。左側のポケットは、メモを挟むこともできるんだけど、クリップはメモ入れるの必須じゃん。これはメモ用に作ってあるからそうなんだけど、左側のポケットにメモを入れなくても成立する。
【きだて】そうそう。
【高畑】「入れろ」っていう風には言ってないんだね。
【きだて】言ってないんですよ。
【高畑】「入れることもできます」っていう感じなんだよ。だから、キングジム的にはきだてさんの使い方っていうのは、どちらかというと2個目の選択肢というか。
【きだて】たぶん、そうなんだと思う。
【高畑】だけど、きだてさん的にはそっちの方がいい?
【きだて】こっちの方が俺には合ってるし、便利っていう。
【高畑】なるほどね。
【きだて】ただ、スライドメモの方もA6だと普通に紙30枚ぐらい挟めるので、持ち歩きメモとしては何の不満もないし。あとね、背マチが結構厚いので、100枚ぐらいのメモパッドを挟んだ方が安定する。
【高畑】あ、なるほど。
【きだて】マチがぶかぶかしないので、俺としてはこっち側にメモパッドを入れた方がいいんじゃないのかなと思うぐらいなんだけどね。
【高畑】うんうん。
【きだて】このスライドクリップ自体はそんなに保持力高くないので。
【高畑】でも、1個で60枚ぐらいまでいけるんだよね。LLサイズだったら90枚までいけるんじゃなかったかな。トーキンのスライドクリップだったらそのぐらいまで行けるんだけど、これだとちっちゃい方で20枚、大きい方で 30 枚。まあ、PPとか挟んでるからかな。
【きだて】そう。綴じ具用にPPを挟んでるので、多分それもあるんだと思う。でもね、30枚ぐらい綴じた状態だと、いちいちクリップ上げなくても、いらないやつをスッて抜けるぐらいのテンションになってるので、むしろあんまりギチギチに挟まない方が使いやすいと思う。
【高畑】スライドクリップ自体はちゃんと閉まっていれば、そんな勝手に落ちてくることはないかな。あと30 枚っていっても、薄い方のキャンパスノートぐらいはあるわけだから、メモとしてはまあ十分な枚数なのかな。
【きだて】とはいえ、ノートと違って裏が使えないからね。天側でめくってくやつだから、30枚挟んだら30ページ分なんだけど。
【高畑】30ページメモるんだったら、別の選択肢が必要になってくる気がするけどね。だって、隣の100枚ぐらいのメモ帳にしたって、途中まで書いてる状態からまた書くわけだから。そう考えると、メモの消費スピードがどのぐらいか分かんないけど、30枚もあれば十分にいけそうな気がする。
【きだて】取材とかに行くと、30枚ぐらいは結構使っちゃうことはあるんだけどね。
【高畑】逆に、そういう時はノートにしないの?
【きだて】もちろん普段は使ってるんだけど、今はとりあえずこのメモが使いたいから使ってる状態(笑)。
【高畑】30枚紙切れが出てくるとなると、ノートにしたくなる気もちょっとするね。
【きだて】まあね。ただノートだと、質問を見ながら書くということがやりづらい。
【高畑】ああでも、クリップの方は質問だからいいのか。
【他故】ああそうか。
【高畑】それで、「トーキンのスライドクリップを採用」って書いてあるんだけどさ。トーキンには、実は文具王のロゴ入りのスライドクリップも作ってもらったりしてるんだよ。
【きだて】ああ、そうだね。
【高畑】そんなこともあってトーキンの社長にはお会いすることがあって。その時に、社長がボール紙にスライドクリップを付けてメモパッドにして使ってたんだよ。
【きだて】あーはいはい。
【高畑】それを随分前から知ってるので、「トーキンの社長が使ってたやつだ」って思ったよ。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】今回商品が出てきて、「あれか」って思いました。
【きだて】それだね。
【高畑】これよりも前にも、キングジムってこのスライドクリップを、ミニサイズの文具シリーズあるじゃないうん。
――「キングミニ」ですね。
【他故】ああ、キングファイルのやつあったね。
【高畑】あれも、スライドクリップにカバーを被せてファイルのかたちに見立ててるんだけど。だから、その時にすでにキングジムとは付き合いがあって、どっちが目をつけたか分かんないけど、明らかにそのアイディアの元は、社長が使ってるメモ帳だと俺思うん。
【きだて】下手すると、トーキンの社長の持ち込み事案かもしれんな。
【高畑】そうかもしれないし、それを見つけたキングジムの人が「やろう」って言ったのかもしれないけど。かなり高確率で、アイデアの源泉が社長の私物だと思う。
【きだて・他故】ははは(笑)。
【高畑】前にね、社長がそれでメモってる時に「それいいっすね」って言ったことがあるのね。そしたら「おお、いいでしょ。これ便利なんだよね」って社長がすごい得意げに説明してくれたのを覚えてたので、それが商品化されたんだと思うと、ちょっと面白いなと。
【きだて】スライドクリップでメモ作るっていうのは、なかなかいいアイデアなんだよ。
【他故】そうだよね。
【高畑】これはいいよね。メーカーは違うけど、「ヨンブンカッツ」からの流れを感じるよね。
【きだて】そうそう。
【高畑】いい感じに連動してるから。
【きだて】上手くコンボが決まるぞ、みたいな。なんだけど、こっち側をメモ帳だけに使うのはもったいないぞ、とは言っておきたい。
【他故】なるほどね。
【きだて】だからね、使い方をもうちょっと広くとってみんなに教えてあげた方が喜ぶ人が多そうだなと思って、今ちょっと色々と記事を書いてるんだけども。
【高畑】そこは、メーカーが想定してる範囲が狭くてっていうことがあるから。
【きだて】1つ要望を言うならば、できれば表紙に綴じゴムをつけたかったっていう。
【高畑】ああ、綴じゴムね。
【きだて】メモパッドを裸で持ち歩くと、カバンの中でめくれてグシャグシャになるのが嫌だなっていうのがあったので、カバーを付けたわけなんだけど、カバーでも勝手に開いちゃうのは困るでしょ。だから今後改造するとしたら、ここに綴じゴムを付けるかな。
【他故】ああ、なるほどね。
【きだて】そうすると、俺のメモ帳ライフは1つ完成形が見えてくるんじゃないかな。
【他故】おお、すごい(笑)。
【きだて】とても便利。
【高畑】A4サイズから4つに切ればA6だし、8つに切ればA7だし。その元になってる紙は、それこそ裏紙でもいけるわけじゃん。
【他故】そうだね。
【高畑】それはいい感じだね。
【きだて】多分、ある程度裏紙も想定してると思うんだけどね。それも完全に「ヨンブンカッツ」からの話じゃんっていう。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】まあ、「ヨンブンカッツ」が出てきてから作ってたら間に合わないと思うから、同時多発だと思うけど、とはいえ、そういうクリップの使い方の流れえみたいな。
――「ヨンブンカッツ」でカットした紙をこれで使うわけですね。
【きだて】そうそう。まさに俺はそれでやってるし。
【高畑】「ヨンブンカッツ」にバインダーが付いてるけど、そのまま取材に持っていくと手が痛いから。
【他故】あれを持ってくとね(苦笑)。
【きだて】あれを手持ちメモとして使うのは、やっぱ嫌だわっていう。
【高畑】あれはあくまでディスクメモだよね。置きっぱだよね。
【きだて】うん。しばらくは、メモ帳はこれでやっていこうかなという感じ。
【他故】いいですね。関連記事
【新製品】合皮製の「テフレーヌ」リングノートとスライドメモパッド
https://www.buntobi.com/articles/entry/news/021806/

【新製品】不要なプリントでメモ用紙を作れるペーパーカッター
https://www.buntobi.com/articles/entry/news/020524/

【お知らせ】「ブング・ジャムの文具放談・完全収録版」2025年版電子本を文具のとびら商店で販売
https://www.buntobi.com/articles/entry/stationery/021681/

