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40代のときに、私の生き方を変えた本は、三木清さんの『人生論ノート』。東京都・府中市『マルジナリア書店』 が届けるベターライフブックスは今日で最終回です。

40代のときに、私の生き方を変えた本は、三木清さんの『人生論ノート』。東京都・府中市『マルジナリア書店』 が届けるベターライフブックスは今日で最終回です。


This Week Theme40代のときに、私の生き方を変えた本。

Book of the Week『人生論ノート』三木清 著(創元社、現在は角川ソフィア文庫)

「孤独が恐ろしいのは、孤独そのもののためでなく、むしろ孤独の条件によってである」。と三木は記した。

『人生論ノート』は、哲学者・三木清が「怒り」「幸福」「死」「習慣」といった日常のトピックを取り上げてまとめたエッセイ。太平洋戦争直前の1941年8月、おそらく軍部からは要注意人物と目されているなかで注意を払いながら選ばれた言葉で描かれた初版は刊行され、私の手元にある3刷が1か月後の9月と刊行当初からのベストセラーだった。2020年代には累計で200万部を超えるほど、多くの人に読まれている人生指南書だ。

その中でもとりわけ「孤独」の項目に私は惹かれた。人間は社会的動物だから、真に一つの個体だけで生きていく、ということはほとんど成立しえない。それでも個の自我を持ち、他の人間たちと生きていくことのなんと苦しいことか。医療も科学も社会も進歩しているのに、どこか息苦しさが抜けず、バックラッシュは続き、いまだ暴力が幅を利かせている。そんなこの世界を慈しみ、後進のためにより良くすることに、私はどれくらい貢献できるのか。もうすぐ、私は三木の没年を超える。孤独に歩むその横には三木の言葉が、先人たちのいくつもの言葉、本があるから、私は何回絶望しても、怖くはない。

※写真は1941年9月15日3刷の創元社版。価格は1円30銭。この年12月8日に太平洋戦争開戦、4年後の1945年9月26日、終戦後の獄中で三木は劣悪な環境による疥癬(かいせん)を主な原因として亡くなった。

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