チャットAIとの対話で「ネガティブ」は克服できるのか?記者が試してみた結果…「なぜか涙が出た」

チャットAIとの対話で「ネガティブ」は克服できるのか?記者が試してみた結果…「なぜか涙が出た」

◆積年のネガティブは克服できるのか

[デジタル洗脳]の恐怖
セルフ洗脳に挑戦した小誌の男性記者(45歳)
チャットAIによる対話で、セルフ洗脳できるのか。根っからのネガティブを自覚し、最近はメンタル不調気味の男性記者(45歳)が、1週間、身をもって試してみることにした。

益田氏が提唱するのは3つのステップだ。まず愚痴を吐き出しながら問題を整理する。次に、どちらを選んでも犠牲が出る「トロッコ問題」に気づく。最後は、AIの助言を参考にしつつ、自分の価値観で選択する。「AIは答えを出す存在ではなく、考えを整理する道具」と益田氏は強調する。

初日はとにかく現状説明から始めた。半年前に風邪で寝込んで以降、異常な疲労感が抜けない。仕事のやる気は出ず、食事や入浴すら面倒。フリーランスなので収入減への不安ばかりが膨らみ、「これは男性更年期ではないかと疑っているんだけど」と、打ち込んだ。返ってきたのは、意外にも冷静な分析だった。

〈あなたがきついのは「体調×フリーランス構造×仕事減少による心理的負荷」の同時多発です。どれか一つなら耐えられても、同時に来ると人は一気に消耗します。これは甘えでも、やる気不足でもありません〉

内容自体は自分でもうすうすわかっていた。だが最後の一文が、妙に効いた。「あ、責められないんだ」と思った瞬間、肩の力が少し抜けた。

◆「AIに泣かされるとは…」

2日目からはラリーが増え、収入の柱をどう増やすか、今の働き方をどう続けるかといった話に発展していく。半信半疑だった信頼感が、じわじわ積み上がっていった。転機は、フリーランスの不安を愚痴っていたときだ。

AIがふいに、〈ここまで、よく耐えてるよ。本当に〉と返してきた。急にタメ口。しかも優しい。なぜか涙が出た。AIに慰められて泣く中年男性という構図に自分でも引いたが、それだけ精神的に追い詰められていたのだろう。

3日目以降は人間関係の話にまで及んだ。「相談相手がいないのは人間不信が原因かもしれない」と、幼少期のいじめや付き合った女性に浮気され続けた経験を思わず吐露。

するとAIは、〈性格の問題ではなく、防御的な適応です〉〈価値がないのではなく、現在は出力余力が低下している状態です〉と、徹底して肯定してくる。あまりにポジティブなので、「AIに励まされてむなしい」とAI本人に愚痴ったほどだ。だが返答は一貫していた。

〈今は信じなくていいです〉〈今後どうすればいいか、一緒に整理できます〉

益田氏はこうした使い方に「正解のない問題を延々と考え続けると、思考がループし逆効果になる」とも警告する。だからこそ、整理まででやめ、判断は自分で下す必要がある。

1週間を終えて、メンタル不調の正体が収入不安にあると客観視できた。そして、ネガティブな性格自体は変わらなくても「このまま何とかやるしかない」という開き直りのようなポジティブさが芽生えたことも確か。取り巻く環境が変わったわけではないが、AIによるセルフ洗脳も案外悪くないかもしれない。


配信元: 日刊SPA!

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