子どもが持っている、愛されたい、理解されたいなどの「中核的感情欲求」。実は大人にも当てはまると臨床心理士の伊藤さん。本当はやりたくないこと、世間の目を気にして無理している人も多いはず。自分の中の内なるチャイルドと会話してみませんか?
教えてくれたのは、伊藤絵美さん
いとう・えみ 東京都生まれ。公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。慶應義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業。同大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。専門は臨床心理学、ストレス心理学、認知行動療法、スキーマ療法。著者に『自分にやさしくする生き方』(筑摩書房 刊)など多数。
「中核的感情欲求」を満たすカギ、チャイルド
前回は、自分にやさしくなるための「簡単5ステップ」をご紹介しました。今回は、自分ファーストで生き、どうやって欲求を叶えるかがテーマです。
中核的感情欲求とは「すべての子どもにおいて、満たされて当然の感情的な欲求」のことを言います。
「すべての子どもにおいて」と書きましたが、私たち大人であっても、「内なるチャイルド」がいるわけですから、そういう意味では「すべての子どもと大人(の「チャイルド」)にとって、満たされて当然の感情的な欲求」と言い換えてもよいでしょう。
大前提となる「内なるチャイルド」について簡単にご説明します。
私が学んだ心理療法「スキーマ療法」では、自分を生きづらくさせる「心の根っこ」(スキーマ)を知り、その根っこから自分を解放することを目指します。
そのために「自分で自分を観察する」における2つの「自分」のうち、前者を「ヘルシーな大人のモード」、後者を「内なるチャイルドモード」というように分けて捉えます。
そして前者の「ヘルシーさん」が後者の「チャイルド」と対話をすることによって、「チャイルド」の感じているストレス反応に気付きを向ける、ということをします。
チャイルドが感情的に満たされれば、私たちの心は穏やかになり幸せを感じますし、逆に満たされなければ、私たちの心は傷つき、自らを不幸せだと感じます。
「自分にやさしくする生き方」とは、「自分自身のチャイルドの欲求を満たす生き方」なのだと思います。

