◆大人たちのその後の人生をも縛り続ける「学校後遺症」
なかには、大人になってから学校後遺症の影響を感じ、生きづらさを感じる人もいる。都内の精密機器メーカー勤務の山田悟さん(仮名・45歳)は、「学生時代は優等生タイプだった」と自らの過去を振り返る。「授業中、間違えるのが怖くて、自分で考えるより、とにかく正解を選ぶことを優先していましたね。発言して間違えるくらいなら、黙っていたほうが評価は落ちないと思っていたんです」

「昔から正解だけを追い求めてきたせいか、前例を疑う癖がまったくないんです。だから、部下から『なぜこのやり方なんですか』と聞かれても答えられない。会議で発言するたびに、『また的外れなことを言ったんじゃないか』とあとから自己嫌悪に陥ることもある。仕事のできない無能上司だと思われているのもわかっているので、正直、部下と話すのが怖いです」
◆「しんどくても休めない」38歳女性
一方、「休むことが怖い」と語るのは、金融機関勤務の牧瀬聡子さん(仮名・38歳)。小学校時代に無遅刻無欠席で表彰された経験が影響しているという。「私の学校では、体調が悪くても登校するのが当たり前だったせいか、休むと評価は下がるという感覚が抜けない。大人になった今も、会社で休暇を取ることに抵抗があります。熱があっても『行けるかも』と考えてしまう。どんなに疲れていても、しんどくても、休めないんですよ」

「管理職になった責任感もあって、帰宅後や休日も『休んではいけない』という思いから、つい仕事をしてしまう。結果、過労による体調不良で、半年間休職することになりました。正直『休みを取るのは悪いこと』だと頭に刷り込まれていたので、ショックでしたね。復帰後、会社には『もう管理職から外してください』と伝えました。給料は下がりましたが、また同じように休みを取るのが怖かったので」

