3.玄関を増築する前に必ず確認したい、法的制限と家の条件
「敷地の広さに余裕があるから」「戸建住宅だから」といって、必ずしも自由に増築できるわけではありません。法的な制限や建物そのものの状態によっては増築ができないケースもあるため、事前にポイントを押さえておきましょう。
3-1.増築ができない、または制限がかかる場合
増築ができない、または制限がかかる可能性があるのは主に次のようなケースです。
建ぺい率・容積率がすでに上限に近い、または上限に達している
既存建物とは異なる工法で増築したいとき
建ぺい率と容積率は、どちらも「敷地に対してどれくらいの大きさの建物を建てられるか」を定めたルールです。建ぺい率は敷地面積に対する建物の面積の割合を示し、容積率は敷地に対する延床面積の割合を表します。
「自治体に申告しないなら、増築しても問題ない」と思うかもしれませんが、たとえ建築確認申請が不要な工事であっても、定められた範囲内までしか増築できません。
自宅の建ぺい率と容積率は、地域の「都市計画情報マップ」や市区町村の建築指導課、重要事項説明書で調べられるので、事前に確認しておくと安心です。
3-2. 玄関の増築ができる家の条件
一方で、増築がしやすいのは次のような条件を満たしている住宅です。
建ぺい率と容積率に余裕がある
玄関付近に十分なスペースを確保できる
建物の基礎や構造がしっかりしている
中でもとくに重要なのが、「玄関付近の広さ」です。
広げたい面積分のスペースを問題なく確保でき、門柱やフェンスなどの障害物もなければ、工事を進めやすくなります。
また、建物の基礎や構造の強固さも、増築の可否や費用に大きく影響します。
この部分に不安要素があると、既存の建物を増築部分をつなげる際に補強工事が必要になり、費用が一気に高くなってしまうからです。
4.玄関の増築で注意しておきたいポイント
玄関の増築は、暮らしを大きく改善できる一方で、判断を誤ると「思っていたのと違った」「やらなければよかった」と後悔につながりやすいリフォームでもあります。
そうした事態を防ぐためにも、事前に注意点をしっかりと押さえておきましょう。
雨仕舞(あまじまい)を徹底する
デザインの調和を考える
動線を確認する
近所に配慮する
ひとつずつ説明していきます。
4-1.雨仕舞(あまじまい)を徹底する
「雨仕舞(あまじまい)」とは、雨水が建物内部に侵入しないように、適切に外部へ排水・誘導するつくりのこと。きちんと雨仕舞をすることで、雨漏りや内部の劣化を防ぎます。
しかし、この部分の処理が甘いと、完成直後は問題がなくても数年後に雨漏りしたり、水の侵入によって腐食・腐朽したりするリスクが出てきます。
そのため、業者選びの際には価格面だけではなく、施工実績の多さや技術力、説明の丁寧さなども含めて会社を選ぶことが重要です。
フォロー体制が整っている会社なら、万が一雨漏りなどのトラブルが起こった場合にも、すぐに対応してもらえるでしょう。
4-2.デザインの調和を考える
増築では、完成イメージ図で外観バランスを必ず確認することが重要です。
外壁は日々雨風や紫外線にさらされているため、たとえ同じ外壁材や色味を選んだとしても、まったく同じ色にはできません。
そのため素材や色味だけで合わせようとすると、「玄関だけ浮いて見える」「ちぐはぐさが目立つ」といった「後付け感」が出てしまう可能性があります。
外観の調和を保つためにも、完成イメージ図で全体のバランスを確認するようにしましょう。
4-3.動線を確認する
玄関を増築する際は、広さや形状・配置を決める前に、日々の動線をしっかりイメージすることが大切です。
玄関の増築の目的は単に面積を広げることではなく、「日々の使い勝手をよくすること」だからです。靴の脱ぎ履きや収納の位置、家族が同時に出入りしたときの動きなどを具体的にイメージしながら、広さや形状、配置を検討しましょう。
シューズクロークを設置する場合も同様で、靴の量や種類、取りやすさを意識しながら大きさと種類を選ぶことがポイントです。
4-4.近所に配慮する
増築では解体工事を伴うため、騒音や車両の出入りが発生します。とくに敷地境界に近い部分に増築する場合は、近隣住民への配慮が欠かせません。
工事の開始前に、工事日・期間・時間などを記載した案内文や粗品をもって事前に挨拶まわりを行うなど、トラブル対策を考えておきましょう。
こうした近隣対応まで含めてサポートしてくれるかどうかも、リフォーム会社選びにおいて重要な判断材料のひとつです。

