守り抜くハワイアン航空らしさ
統合の話題のなかで、バーケット・ラコウ氏が強調して語っていたのは「ハワイアン航空らしさ」を守ることだった。
「ハワイアン航空は、『アロハで人と人をつなぐ』ことを大切にしてきました。飛行機に一歩足を踏み入れた瞬間から、そこにはもうハワイがあります。クルーの温かいホスピタリティ、ローカルの味、音楽、ハワイ語のアナウンス。それらは私たちの文化そのものです」
2026年2月のハワイ語月間には、羽田―ホノルル便でハワイ語を取り入れた特別フライトを実施。さらに、3月からはホノルルの人気シェフ、デル・ヴァルデス氏が国際線ビジネスクラスの機内食を監修する。
「私たちはアラスカ航空グループで一つのチームになりますが、ハワイアン航空はこれからもハワイアン航空であり続けます」
つまり、統合したこれからも、ブランドはそれぞれ独自性を保つ。規模が拡大しても、文化はそのまま。その姿勢がブランドの軸になっていくのだろう。

多様性と「備える」リーダーシップ
2025年10月、バーケット・ラコウ氏はハワイアン航空初の女性CEOに就任した。これまで政府、医療、そして航空業界など、キャリアは一直線ではなかったそうだ。現在の立場についてたずねると、笑顔を見せてこう答えた。
「私が常に心がけてきたのは、自分が興味を持てる仕事を選ぶこと、そして新しい可能性にオープンでいることです」

また、リーダーとして重視しているのは、安心しすぎない姿勢だという。
「航空業界で最も重要なのは安全です。そしてリーダーとして大切なのは、一つの正解に安住しないこと。常に予測し、備え、学び続けることだと思っています。そして、旅行の多くは女性が意思決定に関わっています。だからこそ、組織の中にも多様な視点が必要なのです」
同社では取締役会の約45%が女性で、女性パイロット比率は10%超(米国平均より高水準)。多様性は理念ではなく現実の数字として示されている。
