花粉症が気になる季節こそ見直したい腸内環境。人体最大の免疫器官と呼ばれる腸の環境が乱れると、花粉症などのアレルギー症状が出やすくなると言われています。花粉症のつらさを遠ざける「快腸習慣」について、医学博士の福島忍さんに伺います。
腸内環境の乱れが花粉症の悪化につながる?
春が近づくと気になるのが花粉症。日本気象協会によると、2026年春の花粉飛散量は西日本では例年並み。東日本と北日本では例年より多いと予測されています。
花粉症は、日本人のおよそ2人に1人がかかっていると言われるアレルギー疾患の一種。ウイルスなど体に害を及ぼす「侵入者」を排除する免疫システムのバランスが崩れ、本来は体に害のない花粉に過剰反応することで起こります。
花粉によるアレルギー症状を抑えるには、原因物質である花粉に触れないのが基本ですが、花粉の付着を防ぐのは難しいもの。そこで注目したいのが腸内環境です。
アレルギー症状の発症には、疲労やストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れなどさまざまな要因が関係していますが、中でも免疫の土台と言われる腸内環境の乱れは影響が大きいとされています。
腸は免疫システムと深く関わる器官で、体内の免疫細胞の60~70%が集まっています。そして、体内に入ってきた物質が体にとって有害かどうかを見極め、細菌やウイルスを排除するなどして体を守っています。
腸内環境が乱れると、この免疫システムが正常に機能しなくなり、結果として感染症にかかりやすくなったり、花粉症などのアレルギー症状が強く出やすくなります。
逆に、腸内環境が整っていると、免疫システムが正しく機能するため、感染症リスクの低減や花粉症の症状緩和につながると考えられます。
うんちが臭いのは腸の老化が原因?腸年齢をチェック
では、「腸内環境が整っている」とは、どのような状態を指すのでしょうか。
腸内には、主に体にうれしい働きをする「善玉菌」、主に体によくない働きをする「悪玉菌」、善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢な方になびく「日和見菌」という3つの腸内細菌が住んでいます。
<腸内細菌の性質>
- 善玉菌……免疫力を高める。腸内を酸性にして病原菌の増殖を防ぐ。コレステロールを抑制。ビタミンB群などを生成。便秘や下痢を防ぐ。代表格は乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌。
- 悪玉菌……タンパク質を腐敗させて毒素を作る。食中毒の原因になる他、発がん物質を作ることもある。
- 日和見菌……腸内で善玉菌が優勢になると善玉菌の性質に、悪玉菌が優勢になると悪玉菌の性質になると考えられる。
医学博士の福島さんは、「これらの腸内細菌の割合は、健康な人であれば善玉菌が20%、悪玉菌が10%、残り70%を日和見菌が占めていて、この『悪玉菌よりも善玉菌が優勢』な状態が『腸内環境が整っている』ということになります」と話します。
一方でバランスが崩れ、悪玉菌が善玉菌よりも優勢になると腸内環境が悪化。腸も老化していきます。
腸が老化すると免疫システムが正しく機能できなくなり、アレルギー症状が強くなる、さまざまな病気のリスクが上がるなど、全身に悪影響を及ぼします。
まずは次の「腸年齢チェック表」で自分の腸年齢を確認してみましょう。
<腸年齢チェック表>
□ 便秘気味(または、ときどき下痢をする)
□ 便が硬くて出にくい
□ 便の色が黒っぽい
□ 便やおならのにおいが臭い
□ 野菜をあまり食べない(1日350g以下)
□ 肉が大好きでよく食べる(週に500g以上)
□ 牛乳や乳製品が嫌い
□ 運動不足を自覚している
□ 顔色が悪く、老けて見える
3個以上当てはまった人は、腸年齢が実年齢より上の可能性が高くなります。
ただし、福島さんによると、腸年齢は何歳からでも若返らせることが可能なのだとか。「腸内環境は日々変化するものなので、腸を若返らせる快腸習慣を取り入れて、健やかな腸内環境に整えていきましょう」(福島さん)

