今回は、女性に対するデリケートな容姿について誤った判断をしてしまった男性のエピソードを紹介します。思わぬ流れに転じたこともぜひ注目してください。

◆始発駅の特権、40分間の至福タイム
浜田さんは毎朝8時前、都内近郊の住宅街にある始発のバス停に並びます。「僕の唯一の贅沢が、この通勤時間なんです。職場まで1時間強。そのうちバスに乗っている40分間は、誰にも邪魔されずに大好きな推理小説の世界に没頭できるんです。
始発なので必ず座れますからね。イヤホンでノイズキャンセリングを効かせて、本を開けばそこはもう事件現場。仕事前の最高のリセット時間なんです」
ノイキャン・イヤホンのおかげで、車内の雑音は耳に入りませんが、それでも停留所毎に多くの乗客が乗車してくるにつれ、なんとなく窮屈な感じがしたという浜田さん。
浜田さんの斜め前、吊り革を掴んで立っていたのは、20代後半とおぼしき女性でした。
「どちらかというと、ふくよかな体型の方でした。特に、ゆったりとしたチュニックのような服を着ていたせいか、お腹周りがかなりふっくらして見えたんです。
あ、これは妊婦さんだと思いましたね。足元もフラットシューズでしたし、揺れる車内で踏ん張っている姿が、どうしても妊婦さんに見えてしまったんです」
浜田さんは常識的なマナーを守ってきた自負があります。これまでの人生でも、高齢者や体の不自由な方には積極的に席を譲ってきました。
浜田さんは読書を中断し、おもむろに立ち上がりました。そして、彼女の腕を軽くトントンと叩いたそうです。
「『どうぞ、お座りください』。そう言って、僕は爽やかな笑顔を作りました。彼女は一瞬、驚いたような顔をして固まっていました。
遠慮しているのかな? と思った私は、親切心のダメ押しとして、そっと彼女の右手を引いて、空いた座席の方へ促したんです」
◆「私は妊婦じゃない!」車内に響き渡る絶縁の絶叫
浜田さんの「善意」が報われるはずの瞬間、車内の空気は一変しました。席に座らされた女性は、座るどころか、鋭い視線を浜田さんに向けたといいます。
「あの時の彼女の表情は忘れられません。悲しいというより、怒りと屈辱が入り混じったような……。彼女は僕の手を振り払うようにして、こう言ったんです。
『なぜ、私に席を譲ってくださったのですか?』 と。私は問いの意味が分からず、少し黙ってしまいました」
次の瞬間、女性が「体型だけで判断しないでください!」と声を荒げました。周囲の乗客が一斉にこちらを振り返り、好奇の視線が突き刺さったといいます。

