【恵比寿笑い】名に福を宿す塊根植物パキポディウム・ブレビカウレの魅力を紐解く!

【恵比寿笑い】名に福を宿す塊根植物パキポディウム・ブレビカウレの魅力を紐解く!

恵比寿笑いを交配してみよう|交配方法・播種・発芽レポート(実体験)

上手に育てられるようになったら、複数株を揃えて、交配にもチャレンジしてみましょう。
目指せ発芽!

恵比寿笑いの開花と交配(2025年1月)

開花の様子

花盛りの恵比寿笑い

交配するためには、まずは2株以上の恵比寿笑いを栽培し、それらが同じタイミングで開花する必要があります。

人工交配の手順

まず、開花した双方の株で、以下のように花弁(はなびら)を上の部分でカットします。

花びらカット組み写真

切り口から大量の蜜が出てくるので、それを綿棒などで吸い取ります。

蜜吸い組み写真

蜜が出なくなったら、縦に切り込みを入れ、筒の中にある雄しべを露出させます。
雄しべにできるだけ触れないように、慎重に行います。

花びらカット

ちなみに、花弁の中心部には、このようにおしべがあります。

恵比寿笑いの雄しべ

この三角錐状の雄しべの中に、まるで雄しべに守られるように、中心部に雌しべがあります。(下の断面写真参照)

恵比寿笑いの花の断面

成功の手応え

恵比寿笑いの種サヤ

2025年1月4日に交配作業を行ってから、10日ほどで子房が膨らみ始めました。
そこから約2カ月後、3月1日の状態が上の写真です。
まるでインゲンマメみたいな種鞘(しゅしょう)ですね。
光に透けてサヤの中の種子の影が見えます。

弾けた種鞘

それから1カ月が経とうとしていた3月25日、突然サヤが破け、中の種子が弾け飛びました。
これを防ぎ、無事にすべての種子を回収するためには、子房が膨らんできた段階でネットをかぶせておけばよかったと後悔。

恵比寿笑いの種子
油断していると、種子の羽根が開いてタンポポのタネのようにどこかへ飛んで行ってしまう。

播種から発芽、そして現在

発芽後の様子

2025年1月4日に交配作業を行ってから約2カ月後の3月27日に播種。
フレッシュな種子は発芽力も高く、翌々日の3月29日には発芽。

恵比寿笑いの種子の発芽

2025年4月13日、まだ大きさは豆粒程度ながらも、すでに恵比寿笑いっぽさが出始めています。

恵比寿笑いの稚苗

見え始めた個体差

その後も連続して開花したため、合計35個の種子を採取し育苗中です。
この記事の執筆時で発芽後1年が経過しようとしていますが、塊根部もしっかりとしてきて、それぞれ、まん丸や扁平など個性を見せ始めています。

塊根らしさが表れた恵比寿笑いの稚苗

まとめ|恵比寿笑いという植物のその奥底に・・・

恵比寿笑いは、パキポディウム属の中でもひときわ個性的な存在です。
低く広がる塊根と可憐な花、静かな佇まいは、他の多肉・塊根植物にはない独自の美しさを持っています。
しかし共に過ごすうちに、その静けさの中に、過酷な大自然の中で個性を確立したという、強烈なロックスピリッツのようなものが奥底に宿っているのを感じます。

唯一無二のロックンロール植物恵比寿笑い

育てるほどに理解が深まり、季節ごとの変化に向き合う時間そのものがひとつの財産のようにも感じられるでしょう。
実生株から始め、現地球や白花個体、さらには恵比寿大黒などへと世界を広げる楽しみもあります。
いつか交配に挑戦するのも一興でしょう。

数ある塊根植物の中でも育てやすく、それでいて育て甲斐がある恵比寿笑い。
ぜひ、その奥深さを体感してみてください。

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恵比寿笑いの学名は Pachypodium brevicaule Baker です。
この学名は、19世紀にイギリスの植物学者ジョン・ギルバート・ベイカー(John Gilbert Baker)によって記載されました。

属名の Pachypodium は、ギリシャ語で「太い」を意味する pachys と、「足」や「基部」を表す podion を組み合わせた言葉です。
これは、幹や根元がどっしりと太くなるパキポディウム属の特徴を、そのまま名前にしたものです。

種小名の brevicaule は、ラテン語の brevis(短い)と caulis(茎)に由来し、「短い茎をもつ」という意味があります。
恵比寿笑いは、パキポディウムの中でも特に茎が低く、地面に張り付くような姿をしていますが、その特徴がそのまま学名に反映されています。

つまり Pachypodium brevicaule という名前は、「根元が太く、茎の短いパキポディウム」という、見た目をそのまま説明した学名なのです。

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Pachypodium brevicaule は、日本では「恵比寿笑い(えびすわらい)」という和名で親しまれています。
この名称は、学名のように文献上で正式に命名されたものではなく、日本の園芸文化の中で自然に定着した通称と考えられています。

恵比寿は七福神の一柱で、福徳や商売繁盛を象徴する神様として古くから信仰されてきました。
常に穏やかな笑顔で描かれる存在であり、日本人にとって親しみ深く、縁起のよい象徴でもあります。
こうした恵比寿のイメージと、この植物のボテっとしたまるで大福餅のような姿形が重なったことが、「恵比寿笑い」という和名の由来になったと考えられます。

学名 brevicaule が「短い茎」という形態的特徴を客観的に表しているのに対し、和名「恵比寿笑い」は、この植物を目にした日本人が抱いた感情や縁起観を映し出した名前といえるでしょう。
育て、眺めることで福を招く。
そうした縁起物としての側面もまた、恵比寿笑いの大きな魅力のひとつです。

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自生地での恵比寿笑いは、標高約1,200〜2,000mの岩が露出した斜面や、土の浅い岩場に自生しています。
こうした環境で高さを持つことは必ずしも有利ではありません。
強い風や急激な温度変化、さらには直射日光によるダメージを受けやすくなるからです。

そこで恵比寿笑いは、重心を低く保ち、地表に張り付くような形へと進化しました。
扁平な塊根は、岩の隙間に安定して収まり、外的要因の影響を最小限に抑えることができます。

また、雨季には扁平な塊根を地表に露出していることで、雨が降った際には素早く、より多くの水分を吸収し、短期間で貯蔵することが可能になります。

見た目のユニークさは、こうした合理的な環境適応の結果でもあるのです。

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扁平なボディの随所随所にトゲをまとう恵比寿笑い。
トゲものというと、キャラ的に考えるとどこか攻撃的で排他的なイメージで捉えられがちですが、恵比寿笑いの場合は少し事情が異なります。
恵比寿笑いのトゲは短く、全体のフォルムもどこか楽しげで柔らかな印象です。
そのため、攻撃性を感じさせるというよりも、外からの影響を穏やかに遮る“結界”のような役割として解釈することができ、恵比寿笑いを家の鬼門である北東や、裏鬼門とされる南西に置くことで、悪い氣から空間を守る効果が期待できます。
ただし、北東向きに置く場合は日差しが大好きな恵比寿笑いにとっては日照不足の恐れがあるため、植物育成LEDライトで明るく照らしてあげてください。
そうすることで、運気もさらに上がるでしょう。

☯風水アドバイス:シャイアン・李

李さん

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用土の乾き具合は、慣れれば目視や用土の感触、鉢を持ち上げた時の感覚などで判断できるようになりますが、初心者の方は鉢の縁に竹串を挿し、30秒ほど置いてから抜いたときの土の付着具合で状態を判断すると失敗しにくいでしょう。
引き抜いた串が乾いている、もしく土がうっすら付く程度であれば水を与えるタイミングです。
しかし、串が湿っていたり、湿った土がしっかり付いていた場合は、水やりはもうしばらく待ちましょう。
抜いた竹串

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微粉タイプは液体タイプと比べ、カリ(K)の含有量が非常に高く、株をしっかり締めながら健康的に育てるのに向いています。
カリは細胞を強くし、塊根が締まって太りやすくなるほか、徒長を抑え、根のストレス耐性を高める働きがあります。
そのため、形を崩さずに育てたい冬型塊根との相性は抜群です。

Credit 文&写真(クレジット記載以外) / 編集部員K - ライター・エディター -

フリーランスのロックフォトグラファーの傍ら、サボテンを愛し5年、コーデックスに魅せられ3年を経て、2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。多肉植物関係の記事を中心に、精力的に取材&執筆を行う。飼い猫「ここちゃん(黒猫♂6歳)」に日々翻弄されている。

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