◆ダメ出しに震え、メンタルが崩壊寸前に
今も現役の編集者である筆者だが、週刊誌、月刊誌、隔月誌、ウェブと、書籍以外の編集はほとんど経験したが、今でも月刊誌が一番大変だと思う。毎月ひとつの特集に対して、専門家でもないのに付け焼き刃で詳しくもないのに、それに特化した企画を会議で提案する。そして、無事に企画が通ればその話を専門家に聞きに行き、記事にしていくという流れだ。
週刊誌と違って月刊誌は時間がたっぷりあるため、そして、記事のクオリティを上げるために、さらに取材を重ね、書籍を読み込む必要がある。それはそれでストレスにもなるのだが、記事を作っている間は楽しい。
しかし、いざゲラが出来上がったところで、百戦錬磨の先輩たちが読むと粗が目立ち、赤字の山だ。好きなことができているとはいえ、それが2〜3年も続くと、徐々にストレスも溜まっていく。そして、ここでも筆者の卑屈さが爆発する。
「いつまで、編集部のお荷物になっているのだろうか?」
20代で完璧な記事を作れるようになれるわけがない。今だって満足のいく出来の記事は作れていない。それでも筆者は怒られるのは嫌で、ダメ出しを受けて受けるのが何よりも辛かった。自分が「無能」であることを再認識させられてしまうのだ。
◆「朝10時の打ち合わせ」を乗り切るためには…
先輩編集者たちも必死に指導してくれるのだが、やはり身体は限界を感じていたのだろう。デスク右側の先輩からダメ出しを受け、左斜め前に座っている先輩からダメ出しを受けたところ、両耳たぶに粉瘤(腫瘍)が溜まり、保険適用内の手術を行うことになった。
もう、こうなると逃げ道は冒頭で述べたように酒、高カロリー、タバコ、エナドリに逃げるしかない。
幸か不幸か出版社はフレックスである。そのため、朝っぱらから出社しなくてもいいのだが、そうなると前日の夜に深酒しても12時過ぎに出社すれば、まだマシだと思われる。さすがに、下っ端がそんな時間に出社していいわけないのだが……。
「明日は打ち合わせがあるから、お酒とか飲まないで早く来てね」
あるとき、先輩編集者からそう言われたのだが。朝10時の打ち合わせである。もはや、この時間に出社するには酒を飲んで早めに眠りにつく以外の方法がない。「朝早く起きないといけない……」というプレッシャーで寝れるわけがないのだ。それが、10時であってもだ。
結局、いつものように深酒して出社したところ、朝っぱらでまだ酒が抜けていなかった。吐く息が酒臭いのだ。
「言いつけ破って、朝までどこかで飲み明かしたのか!?」
先輩に叱責されてしまったが、素直に「酒がないと眠れないのです」というと、先輩はとても悲しそうな顔をしていた。

