◆さまざまな憶測を呼び、ついには……
当時、Aは実家暮らし。野田さんの話では、新入社員の給与の6割前後とはいえ、傷病手当金は月に15万〜16万円ほどになっていたはずだという。AのSNSを見る限り、豪華なホテルに滞在している様子はなかったが、タイで節約しながら生活するには十分に暮らしていける金額であった。「そのうち、“現地の夜の女性にハマって会いに行ってるらしい”や“向こうで仕事とか始めたのではないか?”なんて噂まで出始めました。真偽は分かりません。でも、そう言われても仕方ない投稿内容ではありました」
その後もAの休職は続いた。その期間、なんと1年以上。結局、Aは満期で傷病手当を使い切り、職場に復帰することなく退職したのだ。
「その後のAですが、同僚づてに“タイに移住したらしい”と聞きました。SNSもそれっぽい投稿が続いていましたしね。ただ最近は、“生活が厳しくなって知人に連絡しているらしい”なんて噂も耳にします。お金の相談をしている、とか。休職期間の後半は本当に適応障害だったのか、単にタイに行きたかっただけなんじゃないか。最後まで分かりませんでしたね……」
今頃、海の向こう側でAは何を思うのか……。
<取材・文/カワノアユミ>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

