M-1グランプリで三度準々決勝に進出した実力派だが、2022年にコンビを解散し、約12年にわたる芸人生活に区切りをつけた。その後は作家としての道を歩み始めた。現在はハナコのYouTubeチャンネル「ハナチャン」をはじめ、企業イベントや舞台脚本の構成まで幅広く担当している。

◆子どもの成長で気づいた停滞、作家への転身を決めた理由
——2022年末、コンビ解散の経緯を教えてください。かーしゃ:きっかけはM-1でした。テレビにはたまに出ていたけれど、賞レースの結果が出ないまま何年も過ぎていって。そんななか、2017年頃に第一子が生まれて。子どもの成長は本当に早くて、言葉がしゃべれるようになって、友達もできて。その姿を見ていると、5年でこんなに変わるのに、自分はあんまり変わっていないなと痛感したんです。「このままではダメだ」と思って、相方と相談してM-1で結果が出なければ解散すると決めました。結果は2回戦敗退。そこで踏ん切りがつきました。
——34歳からの転身ですね。なぜ「作家」を選んだのですか?
かーしゃ:正直、大学卒業後すぐに芸人になったので、「社会で働く」というイメージがまったくなかったんです。何かこれまでの経験を活かせる仕事を考えていくうちに、作家という選択にたどり着きました。芸人仲間には、面白いのに売れていない人がたくさんいる。そんな人たちを支えられる立場になれるかもしれないし、純粋に「こっちのほうが楽しく生きられそう」という直感もありました。
でも家族のこともあり、深刻な感じで「作家になるのどうかな」と妻に相談したときも、「やりたいことやればいいんじゃない」と拍子抜けするくらいあっけらかんと背中を押してくれて。感謝しかないですね。
◆知り合いに総当たりで仕事を探した
——「作家になる」といっても、明確なルートはないですよね。どうやって活動を始めたのでしょう?かーしゃ:まずは、知り合いの作家さんや裏方の方々に片っ端から連絡しました。「どうやって仕事をもらうんですか?」「手伝えることはありますか?」と聞いて回って。最初に始めたのはライブの主催です。自分は営業が得意ではないし、社交的なタイプでもない。けど、ライブを開催すれば仲の良い芸人さんを呼べますし、「協力するよ」と言ってくれる人が多かった。いまも月4回ほど主催しています。
——長年出演されている芸人さんには、ヤーレンズさん、カナメストーンさん、モグライダーさんといった著名な顔ぶれも多いですね。主催しているライブの特徴を教えてください。
かーしゃ:ライブは、シンプルなネタだけのライブというより、企画性のあるものが中心です。 お客さんウケよりも、自分が「見たい」「面白そう」と思える企画を優先しています。 たとえば「怒り」というライブは、“怒ったら面白い芸人”だけを集めたライブで、「MCのマイク切り忘れライブ」は、MCのマイクをオンにしたままにしておいて、ネタ中にその声が舞台に入ってくる、という感じのライブです。
——かーしゃさんの主催するライブは、わかりやすい人気者だけでなく、実力派で固められている印象です。客入りの不安はありませんか?
かーしゃ:それが、コンセプトが面白ければお客さんは来てくれるんですよ。さきほどの「怒り」というライブも初主催なのに40〜50人ほど入ってくれて、芸人さんが一番輝く形を考えたほうが、結局はお客さんも喜んでくれるんだと気づきました。もちろん、ライブ主催ってギャンブルみたいなもので、お客さんが入らないことも全然あるんですけど。

