目先の投資額の増額よりも続けられる家計設計を
Aさんの失敗は、投資判断そのものではなく、家計の設計順序を取り違えたことにありました。日本銀行の『2025年第3四半期の資金循環(速報)』によれば、家計の金融資産は2,286兆円に達し、ゆるやかな増加傾向です。その内訳をみると現預金の比率は横ばいである一方で、投資信託や株式の保有割合は着実に増えています。これは、政府が掲げる「貯蓄から投資へ」が実際に進んでいることを示しています。
一方で、そこで増えているのは“投資残高”であって、“運用計画の持続可能性”とは異なる点には注意が必要です。投資がブームになればなるほど、Aさんのように短期的な思考で取り組むケースは多くみられるようになるでしょう。
長距離ドライブをするためには、燃料を確保するだけでなく、走りやすい環境を整備し、適切な速度を維持することが欠かせません。運用を長く継続するためにも、事前の準備と計画が不可欠です。目の前の運用環境が好調だからといって、投資のアクセルを踏みこむ前に。まずは自分だけでなく家族の状況も振り返り、家族と一緒に「わが家のライフプラン」を点検してみてはいかがでしょうか。
内田 英子
FPオフィスツクル代表
