日本政府が3月を「自殺対策強化月間」に指定したワケ。産業医が明かす“3月に心が壊れてしまう人”の特徴とは

日本政府が3月を「自殺対策強化月間」に指定したワケ。産業医が明かす“3月に心が壊れてしまう人”の特徴とは

3月が「自殺対策強化月間」に指定されていることをご存知だろうか?

これは2006年施行の「自殺対策基本法」で定められた取り組みで、今年で20年目になる。

多くの会社にとって年度末に当たる3月は、環境変化が一気に押し寄せ、複数のストレスからメンタル不調に陥りやすくなるためだ。

厚生労働省の自殺対策白書(2023年データ)によれば、自殺者の約6人に1人が3月に亡くなっている。特に深刻なのが40〜50代の男性。働き盛りと言われるこの世代は、3月の自殺者数が顕著に跳ね上がる。

環境変化はすべてストレス
※画像はイメージです

◆環境変化はすべてストレス

決算業務に追われ、残業が増える。人事異動の発表があり、不安が募る。新しい環境への準備も始まる。環境変化が重なるこの時期、産業医の大室正志氏はこう警告する。

「環境変化はすべてストレス。昇進も結婚もストレスなんです」

意外かもしれないが、昇進や結婚などの喜ばしいことも、それまでの生活環境が変化することに変わりはなく、例外なくストレスになるという。

こういった環境変化を、大室氏は「コップの水」で説明する。

「降格や叱責のような分かりやすいストレスは、コップに大量の水を注ぐイメージです。一方、引っ越しや子供の入学といった変化も、実はコップの基本水位を静かに押し上げています。

表面張力で耐えていた水が、本来ポジティブなはずの環境変化によって溢れ、休職せざるを得ない状態まで追い込まれてしまうこともあるのです」

◆脳が疲れを消してしまう?人間特有の危険な性質

なぜコップの水が溢れるまで放置されてしまうのか。答えは単純だ。本人が気づかないからである。

そして、なぜ気づかないのか。それは人間特有の性質による。

「人間は、疲労のサインを脳が消してしまう生き物です。例えば、チーターがインパラを追っていても疲れれば諦めるように、動物は疲労サインが出たら動きを止めます。

しかし、人間は何か夢中になっていたり、集中していたりすると、疲れているという信号そのものを脳が消してしまうんです」

狙っていたアップルの新製品発売日なら、前日から徹夜で並べる。しかし、これは疲れていないわけではない。夢中になっているからこなせてしまえるのだ。

「エナジードリンクを飲むと、一時的に目が覚めるのと同じようなことが、脳内でも起こっているのだと考えてください。

人間は何かに夢中になったり、責任感を持って何かに取り組んだりすると、疲れを自覚することをマスクしてしまう。これが人間を進化させた部分でもあり、その副作用として最悪の場合は過労死に至ってしまうわけです」

だからこそ、自覚症状だけを頼りにしてはいけない。大室氏が診てきた休職予備軍には、ある共通のサインがあるという。


配信元: 日刊SPA!

提供元

プロフィール画像

日刊SPA!

日刊SPA!は、扶桑社から発行する週刊誌「週刊SPA!」が運営するニュースサイトです。雑誌との連動はもちろん、Webオリジナルの記事を毎日配信中です。ビジネスマンが気になる情報を網羅!エンタメ・ライフ・仕事・恋愛・お金・カーライフ…。ビジネスタイム、プライベートタイムで話したくなる話題が充実!

あなたにおすすめ