◆産業医が見た休職予備軍が通る5つのステップ
自覚症状がないのなら、何で気づけるのか。大室氏によれば、休職する人には共通する変化があり、しかもそれが早期から段階的に現れるという。つまり、気づければ早めに対策できるのだ。
ステップ1:休日に好きなことをしなくなる
最も初期のサイン。趣味のテニスや映画鑑賞など、それまで好きで行っていた自分の習慣がいつの間にかなくなっていないか。「言われてみれば最近やっていない」と気づいたら、最初の危険信号だ。
ステップ2:頭を使う仕事を後回しにする
企画や難しい課題など、少し考える必要がある仕事が後回しになる。複雑な思考を避けて、単純作業にばかり逃げてしまっている状態だ。
ステップ3:文字が読めなくなる
長めのメールや本などの活字を読むのがしんどくなる。大室氏によれば、休職する人のほぼ全員がこの症状を訴える。この段階まで来たら、危険度はグッと上がる。
ステップ4:睡眠時間が6時間を切る
テンションが高くても、睡眠時間だけは正直。6時間を切っているなら、すでに体への負担が深刻になっている。
ステップ5:体の症状が出る
頭痛や腹痛など、身体症状として現れる。ここまで来たら、休職すべきレベルに達している可能性が高い。
◆メンタルを崩す人は「真面目」だけじゃない
こうした症状は、真面目で周囲に気を遣い「空気を読みすぎる」人がかかりやすいと思われがちだが、大室氏は「空気を読めない」タイプもリスクが高いと指摘する。ただし、その中には分類がある。
「完全に空気を読めない人は、いわば機内モードのような状態で、余計なエネルギーを消費しません。
しかし、少しは空気が読めるけど本当は苦手という人は、常に周囲の空気を読もうと気を張っているのに、うまくいかない。例えるなら、電波が1本しかない状態でネットにつなごうとしている、最もエネルギーを消耗するタイプです」
上記のような人は、固定された人間関係の中でさえコミュニケーションに苦労しているはずで、3月の環境変化をきっかけに水が溢れてしまうことは想像に難くない。

