スーパーのレジに並びながら、買い物カゴの中身と財布の中身を頭の中で照らし合わせる。卵のパック、牛乳、明日の朝のパン。子どもたちが大好きなフルーツを入れるかどうか、一瞬迷ってから棚に戻す。ここ数年、そんな小さな我慢が日常の風景になってしまいました。
物価高はじわじわと、しかし確実に私たち子育て世帯の家計を圧迫しています。そんな中で飛び込んできた、0歳から高校生まで一律2万円の支給というニュース。いわゆる「子育て応援手当(物価高対応子育て応援手当)」です。
「おっ、ラッキー!」と喜びたいところですが、ここで一つ注意が必要です。 この2万円、毎月もらえるわけではありません。今回限りの「一時金」です。
たった一度きりの2万円で、この物価高が解決するわけではありません。しかし、確実に手元に届くお金であることも事実。今回は、2人の息子を育てる母としての実感と、お金のプロであるライターとしての視点から、この「一度きりの2万円」の賢い受け止め方について考えてみたいと思います。
2万円は、日常の買い物2回分で消える
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まず、制度の概要をざっくりと整理しましょう。今回の給付金のポイントは、児童手当支給対象児童(0歳から高校3年生まで)という幅広い対象と、所得制限なし・一律2万円というシンプルさにあります。これまでの給付金のように「住民税非課税世帯だけ」といった制限がなく、子育て世帯であれば広く受け取れるのが特徴です。兄弟が2人いれば、世帯で合計4万円が振り込まれることになります。
正直な感想を言えば、もちろんありがたいです。しかし、FPとして冷静に電卓を叩くと、シビアな現実も見えてきます。
今のスーパーの価格を見てください。家族4人分の食料や日用品をカゴいっぱいに買えば、1回で1万円近くいくことも珍しくありません。つまり、今回支給される2万円は、週末のまとめ買い2回分であっという間に溶けてしまう金額なのです。
「今月の食費が浮いた!」と安易に生活費に組み込んでしまうと、来月にはまた元の苦しい家計に戻るだけ。一回限りの給付金だからこそ、生活費の補填に使って終わりにするのは、あまりにももったいないと感じてしまいます。
「0歳も高校生も同じ」は公平か?
子育てにかかるお金は、年齢とともに急上昇します。オムツ代がかかる0歳児も大変ですが、部活の遠征費、スマホ代、そして桁違いの塾代がかかる高校生とは支出の桁が違います。高校生の親御さんからは「2万円じゃ、夏期講習のテキスト代にもならない」というため息が聞こえてきそうですし、逆に乳幼児の家庭からは「今はまだ貯金できる時期だから、将来のために取っておきたい」という声もあるでしょう。
経済合理性だけで見れば、年齢に応じた傾斜をつけるべきかもしれません。ただ、今回評価できる点があるとすれば、そのスピード感です。条件を細かくつければつけるほど、審査に時間がかかり、手元に届くのが遅くなります。「新学期の出費がかさむ春に間に合わせる」という意味では、この一律支給という荒療治も、一つの正解だったのかもしれません。