本当は、もうゆっくり休みたい…年金〈月6万円〉の71歳独身男性の切実な本音。膝の痛みに耐えながら「時給1,100円のバイト」にすがる毎日

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データが示すシニア就労の「二極化」

膝折さんの事例は、華やかな「シニアライフ」という言葉の影に隠れた、今の社会の現実を映し出しています。株式会社マイナビが発表した「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2025年)」で、経済的な理由から再び働きに出るシニアの実態が浮き彫りになっています。

調査によれば、1年程度は働かなくても暮らせる資産を保有している人が56.8%と過半数を占めています。しかし一方で、70代男性の11.8%が「資産・財産はなにも保有していない」と回答しており、膝折さんのように資産による備えが十分ではない状態で働き続けている層が一定数いることを示しています。

また、65歳以上のアルバイト就業者が働く目的として「自分の生活費のため」と回答した人は46.9%にのぼり、全回答のなかで最多です。こうした層にとって、就労は自己実現ではなく、生活を守るための手段となっています。

さらに、雇用形態への満足度についても、シニア層の3人に2人にあたる67.0%が現在のアルバイトという働き方を本来的な希望通りとしている一方、生活上の必要性などから致し方なく従事している「望まぬアルバイト」が18.1%いることも明らかになっています。

これは、十分な資産を持ち「自由度の高さ」や「責任の軽さ」といったポジティブなギャップを感じながら働く層の裏側に、経済的背景から労働を選択せざるを得ない層が確実に存在していることを示しています。

インフレによる物価高騰が家計を直撃する現在、就労が「人生の彩り」である層と「生存維持の手段」である層の二極化は、より鮮明になっているといえるでしょう。

[参考資料]

株式会社マイナビ「ミドルシニア/シニア層のアルバイト調査(2025年)」

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