日本で先駆けて進化する「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」 ニコラ・クロワゾーシェフ インタビュー(前編)

日本で先駆けて進化する「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」 ニコラ・クロワゾーシェフ インタビュー(前編)

パリのアパルトマンのようなサロン・ド・テ

「ラ・メゾン・デュ・ショコラ ニュウマン高輪店」は、メゾンとして世界初となる200㎡以上の広さを誇る、カフェ併設のコンセプトショップです。

──今日も、大勢の方がショコラやランチを楽しんでいます。このブティックは、どのような考えのもとに作られていますか。

ニコラ・クロワゾー(以下NC) この空間は、昨年パリのマドレーヌのブティックを改装したときと、同じ精神でデコレーションされています。

たとえば床は、パリのアパルトマンを思わせる寄せ木細工です。そして天井には「コルニッシュ」と呼ばれる装飾が施されています。パリのアパルトマンには、天井の端にこうしたディテールがよく取り入れられています。

──多くのディテールに気づきました。確かにパリのアパルトマンのようです。

NC パリらしくシックで、派手すぎず、エレガントに。ここにいると、メゾンに招かれているような、あるいはパリのアパルトマンで過ごしているような気持ちになるでしょう。ラ・メゾン・デュ・ショコラのアイデンティティでもある、パリらしい上品さと親密さを示しています。

──とびきり美しくて、広いアパルトマン、と言えそうです。

NC はい、パリで借りたらかなり高いでしょうね(笑)。日本のお客さまにここでショコラを一日中ゆっくり楽しみ、新しい体験をしていただきたいです。

ショコラを使った料理メニューの提案

──このブティックに、メゾンの現在地が表れているように感じます。料理メニューが豊富ですが、なぜショコラのメゾンが、料理の領域へ踏み込んだのですか?

NC 私はメゾンのクリエイターとして、三つの使命を持っています。ひとつは、メゾンのアイコンであるレシピを守ること。二つめは、シーズンごとの季節限定コレクションを生み出すこと。そして三つめは「明日のショコラ」を考えることです。料理メニューは「明日のショコラ」の領域です。

──未来にむけて、新しいショコラの可能性を探っているのですね。

NC その通りです。ショコラは、さまざまな形になります。ドリンクやお菓子だけでなく、実は昔から料理に使われてきました。あまり知られていませんが、ソースのとろみを出すためなど、です。

実は、私の母方の叔父は料理人で、子どもの頃、よく両親と一緒に出かけて行ってはお手伝いをしました。叔父のレストランでも、ショコラをソースとして使っていましたよ。

®︎jiromatsushita

──幼い頃から、料理が身近にあったのですね。

NC 料理やお菓子のある世界で育ちました。調理場での体験は、幼い私に確かなインスピレーションを与えてくれました。ただ子どもでしたから、やはりデザートに強く惹(ひ)かれ、将来自分が仕事にすると考えたとき、お菓子の世界を選んだのは自然なことでした。

──叔父さまのレストランは、どこにあったのでしょう?

NC 私の故郷でもあるブルターニュです。ご存じのとおりブルターニュには、フリュイド・メール(海の幸)やクレープ、キャラメル・サレ(塩キャラメル)をはじめおいしいものがたくさんあります。ブルターニュには、ガストロノミーの文化が根付いています。

──料理にショコラを使う時、意識していることは?

NC  料理にショコラを使う場合は、ショコラが主張しすぎず、支配的にならないようにしなくてはなりません。例えるなら、最後にサインを書き添えるような感じで、少しショコラが入っているくらいがよいのです。

「栗のスープ、フォアグラ、カカオ、トーストブレッド」〈〉、「タルト ショコラ キャビア」〈

──「タルト ショコラ キャビア」はダークガナッシュとキャビアの風味のマリアージュ、「栗のスープ」は、栗とショコラが上品にマリアージュしています。

NC チョコレートを作るときは、私は常に別の香りや味を加える際も「チョコレートであることを忘れてはいけない」と言います。しかし料理は逆です。「チョコレートは、少しだけ」なのです。

配信元: marie claire

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