
無骨な無垢材を使いましょう、ビンテージ感のある素材を使いましょう、レザーとアイアンを使いましょうなどなど。参考にはなるのですが、なんだか違和感があるような気がします。
カフェといったら色んなカフェがあるはずなのに、解説を見るとなぜか特定のインテリアスタイルだけを指しているように感じます。無骨な素材でビンテージ感を演出した、まるで工場・倉庫みたいな部屋。それってただのインダストリアルスタイルじゃないの?
そうなんです。インテリアの世界では、この世のすべてのカフェではなく、アメリカ由来のインダストリアルスタイルのカフェを再現することを「カフェ風インテリア」と呼ぶことが多いのです。
フレンチカフェだとか、モダン風カフェだとか、ちょろっと触れられていることもあるけどオマケ程度。明らかにインダストリアル風カフェの割合が多いのです。どうしてそんなことが起きてしまうのでしょうか?
◆発端となったのは平成カフェブーム

カフェって食事メニューも内装も素敵だなあ。じゃあこれを自宅にも取り入れられたら最高なんじゃないか。そんな発想から生まれたのが、カフェ風インテリアです。
自宅でカフェメニューを作ってみよう。自宅の内装もカフェっぽくしてみよう。ファッションのブームと比べるとささやかな規模ですが、インテリアの世界でも、自宅でカフェみたいな暮らしを再現するのが流行したんです。おうちカフェ、なんて言葉も生まれて雑誌もたくさん特集記事を出しました。
この平成カフェブームの中で、特に人気になったのがアメリカ発のインダストリアル風カフェでした。当時のカリスマ的な人気カフェ「バワリーキッチン」もアメリカ系インダストリアルのカフェですし、ちょうどこの時期に日本1号店を出店した「スターバックス」もアメリカルーツのカフェですね。
どうせ再現するのなら人気のあるカフェを真似したいものです。当時はこういった、アメリカンでインダストリアルなカフェが大人気だったので、それを参考にしたインテリアコーディネートがカフェ風のお手本として定着していきました。
平成カフェブームに起因した、インダストリアルなカフェを自宅でマネするスタイルのこと……これをカフェ風インテリアと呼んでいたのがそもそもの発端なので、今でもイメージされるスタイル像に偏りがあるわけですね。
◆インテリア雑誌は何を解説しているのか?

無骨な木材を使いましょう、ビンテージ感を出しましょう、レザーとアイアンを使いましょう。そんな解説は、ベースとなるインダストリアルらしさの作り方を話題にしているわけです。
ネイティブ柄が相性ヨシ、デニム生地も合いますよ、アルファベットの書かれたチョークアートもおすすめです。そんな解説は、アメリカっぽい要素を加えてみましょうという提案をしているわけです。
コーヒー豆を保管する麻袋を収納に使ってみましょう、マグカップをペン立てに使ってみましょう、ピクルス容器を小物入れに使ってみましょう。そんなアイディアは、カフェという飲食店らしいフードモチーフを取り入れてみましょうと言っているわけです。暗号の解読みたいですね。
これが読み取れるようになると、知識の吸収効率がグッと良くなります。平成っぽいカフェ風インテリアを作りたいときはもちろん参考にできるし、平成っぽくしたくない場合も上手に避けることができるようになりますよ。

