コンビニアパレル市場でのファミリーマートの優位性
ファミリーマートの成功を受けて、他のコンビニチェーンも参入していますが、そのアプローチにはそれぞれ違いがあります。
セブンイレブンは宝島社との提携により期間限定でコラボアパレルを展開しており、シリーズ累計40万着を突破する成果を上げています。ローソンはFREAK'S STOREとの協業で「ローソンフリーク」を約2000店舗で展開していますが、こちらも期間限定の商品展開が中心です。
一方、ファミリーマートは年間130億円の売上規模で継続的な本格ブランドとして展開しています。他社が期間限定やコラボ商品として展開している一方で、ファミリーマートは通年商品として定番化し、デザイン、品質、価格のすべてで妥協しない戦略を取っているのが大きな違いです。この継続的なブランド戦略が、リピーターの獲得と市場での優位性確立に繋がっています。
家計への影響と新しい買い物スタイル

コンビニエンスウェアの普及は、家計管理の考え方も変えつつあります。従来の「まとめ買い」から、「必要な時に必要な分だけ買う」スタイルへ移行することで、タンス在庫の無駄や使わない洋服への支出を抑えられます。
特にソックスや下着類などの消耗品は、定期的な補充購入により計画的な家計管理が可能になります。季節商品も気候の変化に合わせてタイムリーに購入できるため、「去年買っておいた厚手の服のサイズが合わない」「流行が変わって結局着なかった」といった無駄を減らすことができます。
実際にファミリーマートのコンビニエンスウェアは2020年の立ち上げ以来、数年間で年間130億円の売上成長、前年同期比160%増という伸びを見せており、単なる一過性の流行ではなく定着しつつあることがうかがえます。
一方で、商品の回転率が高いため、お気に入りのアイテムが突然店頭から消える可能性があることや、サイズ展開が限られている点は課題です。それでも、これらを上回る利便性とコストパフォーマンスの良さが、多くの消費者に支持され続けている理由ではないでしょうか。
