「似たようなものの重複買い」とキャッシュレスの罠
サプ里さんの事例は、終わりの見えないインフレのなかで現代シニアが抱える「消費のジレンマ」を象徴しています。
ハルメクが発表した「お金に関する意識・実態調査2025」によると、お金の使い方への満足度は前年比で9.3ポイント急落し、48.2%にとどまっています。特にサプ里さんのような60代前半の層で、その低下が顕著でした。
さらに同調査の「最近無駄遣いだと感じた支出」という自由回答では、「クレジットカード支払いだと、つい余計なものを買ってしまう」「同じようなものを持っているのに買ってしまう」というリアルな声が多く寄せられています。
サプ里さんのように、普段は現金の重みを痛感している節約家であっても、スマホ通販やクレジットカード決済になると、出費している感覚が薄れます。そこに「健康を守るため」という自己正当化が加わることで、似たような成分のサプリメントを重複して定期契約してしまう衝動買いにつながる可能性が考えられます。
健康やお金といった将来の不安をなくそうと焦るあまり、冷静な判断を失って現在の生活を苦しめてしまう。データからは、そんなシニア世代の葛藤が読み取れます。
[参考資料]
株式会社ハルメクホールディングス「お金に関する意識・実態調査2025」
