◆痩せ信仰が多くの人を苦しませている

「ファンの女性から『太っちゃって自分のことを否定していたけど、シオンちゃんに出会って、好きな服を着ようと思えるようになりました』などのメッセージをたくさんもらうようになりました。やっぱり、言い続けることに意味があるなと。そして、今の痩せ信仰は多くの人を苦しめているな、と再認識しました」
今でこそ、ぽっちゃりしている自分を肯定して活動しているが、高校生の頃は体重が38kgしかなかったようだ。
「当時は自分が頑張ってダイエットしていたから、周りの人のことを勝手に“頑張れるのに頑張っていない人”と、決めつけて冷笑していました。でも気がついたんです。その言葉は自分への呪いだって。わたくしの母が躾にすごく厳しくて、目がパッチリ開いていなかったり、背筋が曲がっていたり、歩き方がモタモタしていると怒鳴られる家庭で育ちました。教育には感謝していますが、それも今思えば呪いの側面もあったと思います。誰かを攻撃することは、その弱い部分が絶対に自分の中にある。悪口も自分が言われたくないことを相手に対して言ってしまったりしますよね。
ルックス至上主義(ルッキズム)もそうですが、いきすぎた痩せ信仰は、自分たちで自分たちを苦しめてない?と、わたくしは思います。“痩せ”に該当しない子たちの方が、明らかに分母が大きいから、ほとんどの人が苦しむ結果になってしまう。
だから私のありのままで『30代・ツインテール・地雷系』という発信をすることで、少しでもみんなに楽になってほしいです」

「何歳までに結婚すべきとか、何歳になったらロリータ服を着たら痛いとか、あくまで人それぞれの主観的な話なんです。
たとえば、ロリータ服を着こなしているおばあちゃんって素敵じゃないですか。この年齢はこの格好をしたらダメとかではなく、ファッションってトータルの完成度だと思います。
わたくしは確かに痩せてはいないし、絶世の美女ではありませんが、そういった全体の完成度の向上を目指しています」
◆多くの女性を呪いから解放したい

「美の価値観は結局、資本主義が作っているわけだから、物を売るためのムーブでしかない。だから正直、終わりは来ないし、世界なんて変えられないと思います。わたくしは大スターでも金持ちでもありませんが、今は毎日がとても楽しいです。
痩せたら美しくないとかそういうことでは一切なく、令和の“可愛い” は多様化すべき。わたくしが可愛いの新しいジャンルを作って、太っている子でも自分を呪わないでいられるようにしていけたらな……」

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/長谷英史>
―[藤田シオン]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

