息子の保育園入園まであと1カ月、手続きミスで白紙に。焦るスウェーデン在住・共働き日本人夫婦が驚愕した「市からの回答」…日本の「保活」との圧倒的な差

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週に1度の遠足で言葉が“生きた知識”に

週に少なくとも1度は、近くの森や公園に遠足に出かけていた。私たちの住む住宅地周辺にはたくさんの公園や森、草原が広がっている。自然の中で花木や虫、鳥を観察しながら四季の移り変わりを感じたり、のびのびと遊んだりする。

「自然教育」とか「環境教育」などと大々的に銘打っているわけではないが、身近にある自然を教材にしながら自然の大切さや面白さを学ばせていた。森や公園の所定の場所で火をおこして、ソーセージを焼いてランチを食べることもあった。

遠足の次の日は、遠足で見たものを教室でみんなと確認したり、本で調べたり、拾ってきた枝や葉っぱで工作をしたりしていた。

息子はそのようなやり取りの中で鳥の名前をたくさん覚えたらしく、私と一緒に散歩しているときも「あの鳥はsadesarla(タイリクハクセキレイ)っていうんだよ」「あっちの黒い鳥はkoltrast(クロウタドリ)だよ」と私に教えてくれるくらい、いつの間にか鳥に詳しくなっていた。

「保育園教諭」と「保育士」、2つの職種で子どもを支える

スウェーデンの保育所では、子どもの教育に直接携わる職種として、保育園教諭と保育士の2種類がある。

保育園教諭は全体の学習計画を立ててそれに基づいた教育を主導する役割を持ち、3年の大学課程を修了して資格を得る。一方で、保育士は保育園教諭を補佐する役割を担っており、資格はないものの高校や自治体などが提供する成人向け高校の教育課程で学ぶのが望ましいとされている。

このように職種に違いはあるものの、現場で子どもたちと日常的に接する役目であることに変わりはなく、日々協力しながら仕事をしている。

私たちは2つの保育所を経験したが、どちらもクラスが5つあり、1クラスが20~23人ほど。3歳以下だと1クラスの子どもの数が12人くらいだろうか。1つのクラスを保育園教諭と保育士合わせて3人が担当しており、日中の活動では基本的にはその3人がついている。

職員が休んだときのための「臨時保育士」もスタンバイ

保育所は朝7時から夕方17時まで開いており、出勤が早い家庭では、保育所で子どもに朝食を食べさせることができる。

ただ、早朝と夕方の時間帯は子どもの数が少ないので、複数のクラスをまとめることで必要な人員数を減らしていた。朝早くから勤務を始めた職員は早めに仕事を終え、遅く始めた人は最後までいるというようなシフトだ。

また、正規の教諭や保育士が自身の病気や子どもの看病で休んだときのために臨時保育士が登録されており、特に風邪がはやる季節にはそのような臨時保育士が穴埋めをしていた。

出典:『子育ても仕事もうまくいく無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)より抜粋 [写真3]クリスマスに近い季節には、夕方16時過ぎに迎えに行くともう外は真っ暗 出典:『子育ても仕事もうまくいく無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)より抜粋

親の不満も聞かれるが…随所に光る保育所の“工夫”

一般的に保育所に対する不満として親からよく聞かれるのは、子どもを夕方迎えに行っても別のクラスの教諭・保育士か臨時の保育士だけしかおらず、その日の子どもの様子がどうだったのか、尋ねてもよく分からないというものだ。だから、私たちの保育所も情報の引き継ぎには気を使っていたように感じた。

また、教諭・保育士の中にはスウェーデン語が流ちょうではない人もいるが、子どもがスウェーデン語をきちんと学べるように、息子の保育所では1つのクラスに2人はスウェーデン語を母国語とする、あるいはネイティブ並みに話せる保育士を配置させていた。

私たちの息子は2つ目の市立保育所に4年間通い、23年6月に無事卒園した。新型コロナウイルス禍の混乱した時期もあったが、しっかりと息子の保育と教育をしてくれ、息子も仲の良い友達やたくさんの楽しい思い出ができたようだ。

出典:『子育ても仕事もうまくいく無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)より抜粋 [写真4]保育所で遊ぶ息子 出典:『子育ても仕事もうまくいく無理しすぎないスウェーデン人』(日経BP)より抜粋

佐藤 吉宗

SEB

シニア・データサイエンティスト

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