「ベネチア・ライフ」の人工運河で釣りをする住民ら(2月5日)|Dake Kang / AP Photo
中国で債務に支えられた不動産バブルが崩壊した後、国内各地で大規模住宅開発の一部が空き家となった。中国東部の沿岸に位置する巨大団地「ベネチア・ライフ」もその一つである。
上海から車で約1時間半の場所にある「ベネチア・ライフ」は、イタリアの都市ベネチアを模して設計された。欧州風の彫刻や建物が並び、運河や橋で結ばれている。
かつては「上海の庭園」として売り出され、海辺でのぜいたくで落ち着いたリゾートのような生活をうたっていた。しかし数年前から不動産価格が低迷し、2024年には開発を手がけた恒大集団が破産を申請した。
現在の「ベネチア・ライフ」は、海を望む景観とは対照的にゴーストタウンの様相を呈している。多くの住戸が売れ残ったままである。
住宅価格は最盛期から半分以下に下落した。多くの高級住宅が放置され、コンクリートと白い外壁だけが残る建物となり、専用の船着き場も使われていない。3ベッドルームのマンションは月800元(約1万8000円)で借りることができる。
こうした安価な賃料は、中国の巨大都市での激しい競争から距離を置き、ゆったりとした低コストの暮らしを求める人々を引き寄せている。
団地内には数軒の食料品店やいくつかのレストラン、宅配の受け取り所があり、移り住んだ人々の生活を支えるには足りている。
冬になると団地は一段と静まり返り、住民たちはよりゆるやかな時間を過ごす。しぼんだゴム製のアヒルのそばで釣りをする男性たちの姿がある。子供服が公共スペースに干され、人気のない浜辺では、ひとりの男性がブランコに揺られながら、使われなくなった桟橋を見つめている。

Dake Kang / AP Photo
By DAKE KANG and ALBEE ZHANG Associated Press
