◆自分でできる根本対策、免疫バランスの整え方
一方で、自分でできる“根本的な体質改善”もある。それは「食事や生活習慣によって、免疫バランスを整えること」。少し前までは「免疫力をアップする」という言い方がされた。だが、花粉症のように免疫(防御力)が効きすぎて症状が出ることもあるわけで、今では「免疫バランスを整える」ことが重要だとされている。
「免疫にアクセルを踏んだり、ブレーキをかけたりするバランスを整えることが重要。これが花粉症の改善にもつながります。免疫にブレーキをかける『制御性T細胞』は、昨年のノーベル賞で話題になりました」
制御性T細胞を発見した坂口志文氏(大阪大学・特任教授)が、2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞したほど、いまホットな話題なのだ。
◆免疫バランスを整える“三部隊”とは
免疫バランスを整えるには、「発酵食品、食物繊維、ビタミンDの“三部隊”を日頃の食事で摂ることが大切です」と長友先生は言う。①発酵食品
「腸内には免疫細胞の7割が集まっているため、腸内環境を整えることが免疫バランスを整えることにつながります。発酵食品はいわば“実行部隊”です」。
腸内有用菌が含まれる、ヨーグルト、納豆、キムチ、ぬか漬けなどを積極的に摂ろう。

「有用菌のエサとなって、腸内環境を整える“補給部隊”が食物繊維です」。
食物繊維には水溶性と不溶性があって働きが違うが、細かいことよりも、まずは食物繊維が多い食品を知って食べることが基本。一般に食物繊維が多いものとして、海藻、きのこ、野菜、果物、豆、穀類あたりを覚えておこう。
③ビタミンD
「ビタミンDは免疫の司令塔で、いわば“指示部隊”です。食品では鮭・サンマや干ししいたけに多く含まれますが、日光に当たることで体内でビタミンDが生成されます」
日光の中でもUV-B(紫外線B波)に当たるとビタミンDが生成される。UV-Bは洋服や窓ガラスではじかれることが多いので、屋外で顔や手に日光を浴びよう。夏は10~20分、冬は30~60分が目安といわれている。

もしランチでこの“三部隊”を摂るなら、例えば「鮭弁当+ワカメの味噌汁+ヨーグルト」といったメニューになる。中年男性は「ラーメンだけ、牛丼だけ」のような食事になりがちだが、まずそこから変えていきたいものだ。
免疫バランスを整えるには、当然ながら、しっかり眠る、ストレスを溜めない、などの生活習慣も関わってくる。じっくり取り組もう。
【長友孝文(ながともたかふみ)先生プロフィール】
耳鼻科医、池袋ながとも耳鼻咽喉科院長。
2007年国立大学法人浜松医科大学医学部医学科卒業。東京大学医科学研究所先端がん治療分野特任研究員、自治医科大学病院耳鼻咽喉科病棟医長、外来医長などを経て、2022年池袋ながとも耳鼻咽喉科を開院。自身が長年アレルギー性鼻炎に悩まされていたことに加え、すべての世代を一生涯通して診療が行えることで耳鼻咽喉科に尽力。
<文/川崎かおり>

