花毎の花ことば・桜草「兆しをつかむ」
江戸時代、人々は桜草のごくわずかな違いを見分け、その美しさを楽しみました。
花弁の形、色のにじみ、切れ込みの深さ──
一見すると同じに見える花の中に、小さな個性を見いだすことが、古典園芸の楽しみだったのです。
桜草の開花は、まだ少し先の時季に訪れます。
いまは、寒さの残る地面の上に瑞々しい葉を広げ、つぼみがゆっくりとふくらみはじめるころ。
そこで、桜草に贈る花毎の花ことばは「兆しをつかむ」としました。
大きな変化は、いつも小さな動きから始まります。
花芽のわずかな変化を見つけるように、季節の気配を見つめる。
桜草は、そんな細やかな春の兆しを教えてくれる花なのかもしれません。
文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
水上多摩江
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など

「銅版画で愉しむ 二十四節気の花ことば 英訳付き」
『二十四節気の花絵』が書籍になりました。
これまでの連載の中から、二十四節気にまつわるお話と、それぞれの節気に合わせて選りすぐった3つの花絵を収録。合計72の花絵と花ことばを、一冊にまとめました。
おやすみ前のひとときなど、心を癒したい時間にぴったりな、大人のための絵本です。英語訳も付いておりますので、海外の方へのギフトにもおすすめです。
WEB連載とはひと味違う、書籍ならではの魅力を、ぜひご堪能ください。
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