◆寄り道しつつも、フリーでの活動は順調だった
Eさんは独立後しばらく「クラウドワークス」「ランサーズ」といった業務アウトソーシング系のサービスを中心に活動。新人フリーランスの多くが経験することだが、この頃は仕事単価の低さや、案件を装ったスクール勧誘などに悩まされたという。「そこから改善のきっかけになったのは、仕事で使っていたコワーキングスペースで、オフラインの人間関係を作れたことですね。このコワーキングスペースで作業するために、地元(静岡県)から引っ越してきたのですが、夜遅くまで作業している時に、たまたま相席していた経営者さんから『頑張ってますね!よかったらお話しませんか』って誘われたりして、そこから仕事の発注につながったことが何回かあります」
コワーキング以外でも、企業・メディア関係者の複数集まるセミナーや交流会に参加したり、「コンテンツ東京」のような大型BtoB展示会に自ら出展するなど、フリーランスが対人での周知機会を増やす方法は少なくない。ネットでの交流が当たり前になった今だからこそ、リアルでの語らいや懇親が大事なのだと感じさせる話だ。
地道な努力と前職から培った知見、そして人のつながりに支えられて、Eさんの収入は徐々に上昇。一時期は毎月約30万円の成果があるなど、フリーランスとしてかなり順調にステップアップしていたという。だが、そんな時期にEさんを襲ったのが「生成AIショック」であった。
◆「AIの方が分かりやすくて…」仕事を奪われるまで
具体的にEさんが経験した出来事については、概ね冒頭のポスト内で記載されている事そのままだと言う。要約をすると下記のとおりだ。3ヶ月ほど前、以前からEさんが記事執筆していたECサイトの担当者より、連絡用ツール経由で「社内導入したAIで質の良い記事が書けるので、来月以降の記事はもう(書かなくても)大丈夫」という趣旨のメッセージが入る。「今まで本当にありがとうございました!」という明るい言葉を添えながらも、実質的な仕事の「打ち切り」である。
さらにその約1ヶ月後、今度はとあるオウンドメディアのコラム記事執筆について、担当者に「AIにEさんと同じテーマで記事を書かせたら、EさんよりAIの方が分かりやすくて綺麗」という通知が入る。その後、Eさんの業務範囲は記事全体の構成・執筆から、AIが全体ラフを書いた記事の簡単な手直し作業にまで格下げされ、仕事1件あたりの報酬も10分の1に引き下げられてしまったという。

