土地所有者の3分の2以上の同意が必要だったにも関わらず、この要件を満たさないまま開発計画を受理して手続きを進めていたのです。
「みんなで大家さん」の成田の開発プロジェクトは、更なる暗礁に乗り上げました。

◆2000億円超を集めた巨額投資
「みんなで大家さん」は共生バンク株式会社を中核とし、個人投資家向けに不動産小口化投資商品を展開するブランド。都市綜研インベストファンド株式会社が投資家から集めた資金を運用し、みんなで大家さん販売株式会社が商品を販売しています。成田のプロジェクトについては、約3.8万人から2000億円以上を集めていたとされています。
公式ホームページによると、1口100万円から投資ができ、申込手数料は無料、年6.0~7.0%の想定利回りに期待ができるといいます。「例えば、想定利回り7.0%、運用期間5年の商品を1口100万円分ご出資をいただいた場合、運用期間満了時の累計では合計35万円(税引前)になります」と明記されています。
成田空港に隣接する大型開発用地「成田空港周辺開発プロジェクト用地」の一角を、対象不動産として組み入れた商品の一つが「シリーズ成田18号」。想定利回りは7.0%、運用期間は5年で、公式ホームページに収益モデルとして掲載されている内容と一致するプロジェクトです。
しかし、分配金の支払いは遅延が生じています。今年2月18日付で、成田の開発プロジェクトへの出資を巡り、出資者が都市綜研インベストファンドに対して、契約解除と出資金約118億6600万円の返還を求めて大阪地裁に集団提訴しました。
集団提訴は2025年9月と11月に続いて3回目。合計で2500人が返金を求めています。
◆進捗率わずか数%…借地契約の更新拒絶も当然か
開発プロジェクトは遅々として進んでいませんでした開発用地の4割を所有する成田国際空港株式会社は、2025年11月30日に期限を迎える借地契約の延長に応じない方針であることを認めました。造成工事の遂行能力が確認できなかったのがその理由。実際、進捗率は数%と言われており、事業者が2月17日に公開した「開発作業の様子」を確認しても、来年冬にオープンできるほど進んでいるようには見えません。
一方、成田市の小泉一成市長は2025年11月26日の会見で、開発プロジェクトの工事延長届を受理したと明かしました。
そうした中、開発許可段階で条例違反があったことが明らかになったのです。
開発地は市街化調整区域。都市計画法では原則として建物を建てることができませんが、成田市は開発許可を出しました。
後にこの許可を出す過程において、不適切な処理をしていたことが明らかになったのです。許可には土地所有者の3分の2以上の同意を得ることが必要と規定されているものの、成田市は同意率を土地登記単位で算定していたというのです。

