◆定義が曖昧なままの審査にも疑問符が
成田市が公開した調査報告書では、同意率に関する定義が関係者の間で曖昧なまま議論が進められた様子が記録されています。また、「主担当が事業に精通していたことから、担当者に依存しすぎていた面も否定できない」と記されており、担当者任せにしていた可能性があることにも言及しました。もはや開発継続は困難であるようにも見えますが、成田市議会議員の中島けいすけ氏は自身のnoteで、「ただし、この地区計画自体はすでに決定されており、事業も進んでいるため(と書きましたが現時点で重機も見当たらず工事がストップしているようです)今後の対応や影響については建設水道常任委員会で議論して参ります」とコメントしています。
開発許可の要件を満たしていなかったことが明らかになっても、プロジェクト中止とはならないようです。
◆出資金2000億円の行方は?
気になるのは、2000億円にものぼるとされる出資金の行方。出資金の返還を求めた裁判では、会社から一部の出資金を2年で分割払いする和解案を提示されたものの、原告側はこれを拒否しました。東京商工リサーチは、成田プロジェクトの分配金の支払い遅延について、グループ会社からの賃料の遅れが発生しているなどという、資金繰りに窮している様子を明らかにしています。
さらに2026年2月27日には毎日放送が「身内のグループ会社でお金を回している」という元幹部の証言を紹介。投資商品を運営するグループ各社はほとんど赤字で、出資者に分配金を支払うために別の商品で集めた資金を流用していると報じました。
これに対し、「みんなで大家さん」は公式ホームページにて「全くの事実無根」と反論しています。
「みんなで大家さん」については、老後資金として蓄えていた貯金を出資した人もいます。投資が自己責任であることは間違いありませんが、本来は要件を満たしていなかった開発プロジェクトに成田市がお墨付きを与えたのも事実。それが投資商品の魅力に一役買ったことも否定はできません。
開発は本当に進むのか、継続困難なのであれば出資金はどうなるのか。プロジェクトは重要な岐路に立たされています。
<TEXT/不破聡>
【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界

