4年ぶりの実家帰省で息子が見た「悲惨な有様」。常連に愛された“心優しき居酒屋主人”の父が、何もわからぬまま〈自己破産〉に至るまで

4年ぶりの実家帰省で息子が見た「悲惨な有様」。常連に愛された“心優しき居酒屋主人”の父が、何もわからぬまま〈自己破産〉に至るまで

全容を把握した息子がとった「最後の手段」

あまり実家に顔を出さない息子が、4年ぶりに帰郷すると、その家の荒れっぷりに唖然とする。居酒屋は営業しておらず、父親の認知症は悪化していた。

そして驚愕したのが、消費者金融からの督促状の多さだった。男性は「金を返せ」と言われ、消費者金融で無理やり、お金を借りさせられたのだった。

その額は、1000万円を超えていた。男性と仲が良かった知人が訪ねてきて、息子は初めてその全容を知った。とても自分で払える額ではなかった。

今は警察に被害を訴えているが、前途は多難だ。法律の相談窓口で現状を訴えたところ、子供が父親の成年後見人になることで、父親の自己破産が可能になるとのアドバイスを受けた。

こうして父親は、自分の知らないところで自己破産者となった。父親から金を奪った者は、楽しい人生を送っているのだろうか。

「認知症患者は宝物」…カモにならないために

認知症患者に対して、周囲の人は「助けてあげよう」と思うものだが、「騙してやろう」という輩も一定数いる。

2023年に捕まった特殊詐欺グループの上層部は、詐欺の電話をかける「かけ子」に対して「認知症の高齢者は宝物。宝物を探せ!」とはっぱをかけていたそうだ。それほどまでに、認知症患者はカモなのである。

こうした被害を防ぐには、子供や周囲の人がしっかりフォローしてあげることが一番大切だ。定期的に帰省したり、会話をしたりする中で、親の健康状態をつかんでおきたい。

もし認知症の気配を感じ取ったら、地域包括支援センターに相談するとともに、子供が親の財布の管理をするといったことも視野に入れよう。

永峰 英太郎

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