
こんにちは。大田市五十猛町在住の西原貴美です。 早いものでもう九回目、最後の記事となりました。
今回は、我が家の冬の風物詩「手前味噌づくり」をご紹介したいと思います。
冬になると、以前もご紹介した江津市の反田さんという農家さんから自然栽培の大豆が届きます。これが本当に美味しい大豆で、煎っても茹でてもどうやって食べても美味しいのですが、我が家では毎年こちらの大豆で、年代物の木桶を使って一年の自家製味噌(仕上がりで15kg!)を仕込んでいます。大豆は随分前から購入させていただいていて、調べてみたら、もう十二年間も味噌を作り続けていました。 つまり今年で十三回目。
娘が幼稚園に入ってからは、彼女も自分用の小さいタッパーで一緒に味噌を作っています。 彼女にとっては今回で七回目の味噌作り。 今では、何も言わなくても一緒に材料を用意すれば一人で全部作れるくらいになりました。 彼女が大人になったら、毎年自分で味噌を作るのかな、などと考えると楽しくなります。
自宅用に作るのとは別に、毎年、自分のお店でも 味噌作りのワークショップ を開催しています。今年は祝日に開催したので、娘はそちらに一緒に参加して味噌づくりを楽しみました。仕上がり量で4kg 程度の味噌を仕込んだので、その様子を紹介させいただきます。
まずは大豆を茹でるのですが、大切なのは浸水。大豆を洗って、丸一日しっかり浸水させて、ムラなく茹で上がるようにしておきます。そして柔らかくなるまで茹でるのですが、柔らかくなるまでって一体どれくらい?というのがずっと疑問でした。
「親指と小指で簡単に豆が潰れるくらい」
ずばりこれです。私はこれが一番分かりやすい説明だと思っていて、みなさんが想像しているよりもかなり柔らかめな気がします。この時の大豆の状態がこの後の作業のしやすさにかなり影響するので、ここはかなり重要なポイントです。

茹でる 鍋でじっくり3時間程度。今回は時間短縮のため圧力鍋も併用しました。
次に、大豆を茹でている間に麹と塩を混ぜて「塩きり麹」を作ります。我が家は合わせ味噌なので、白米麹、玄米麹、麦麹を混ぜています。

塩きり 麹塩と麹をざくざく混ぜます。娘が混ぜています。
そして、茹で上がった大豆を潰します。

大豆を潰す 体重をかけて潰します。時には足で踏んで大胆に。
色々試した結果、ビニール袋に大豆を入れて上から押したり踏んだりするのが一番効率が良かったので、かなり大胆な感じがしますがこうやって作業しています。 大らかな作り方なので、潰しきれずに豆のまま残っているものもあるけれど、お味噌汁を作った時に潰れていない大豆が入っていると「当たり」のような気がして嬉しいのです。満足いくまで大豆を潰したら、先ほどの「塩きり麹」と混ぜます。よく混ぜます。麹と塩と大豆をペースト状になるまでムラなくしっかり混ぜます。ここ大事。 一番時間がかかるのがこの作業。大豆が固かったり水分量が足りないと混ぜにくいので、この時にパサパサしているようだったら、大豆の茹で汁を入れて滑らかになるよう調整します。

麹と大豆 よく混ぜます。しっかり混ぜます。ここが一番大事な作業だと思います。
ここでちょっと休憩。
味噌作りワークショップの参加者のみなさんに、我が家の 「いつもの味噌」、「三年熟成味噌」、「自家製蕎麦麹味噌」、「自家製梅味噌」、「岐阜県郡上の豆麹味噌」、の五種類の味噌と、煎り大豆、茹で大豆を味見してもらいました。 それぞれの味の違いに驚きながら、わいわいと感想を言い合って楽しい休憩になりました。やはり麹の量が多いと甘みが、熟成が進むと深みが増すようです。普段食べ比べることがあまりないけれど、米、蕎麦、大豆といった麹の種類の違いでも味わいにかなり違いがありました。 ちなみに「梅味噌」は、自家製味噌と青梅、砂糖をジップロックに入れて漬け込んだもので、簡単なのに爽やかな酸味と旨味が癖になる、おすすめの調味味噌です。

味噌の味 お味噌いろいろ。それぞれ違う味わいです。
さて、では作業に戻ります。 先ほどしっかり混ぜてペースト状になった大豆と塩きり麹を、空気を抜きながら丸めて味噌玉を作って、それを保管容器に空気が入らないように隙間なく詰めます。

味噌玉 ぎゅっと丸めてボール状に。ハンバーグを成形する要領で空気を抜きつつ丸めます。

味噌玉2 全部丸めたところ。よく頑張った。娘が。

詰める1 タッパーに隙間なく押し付けて詰め込んでいきます。

詰める 2ぎゅうぎゅうに詰めて表面を平らにならします。
ここまでくれば、もうほとんど完成です。 カビ防止のために、我が家ではこの上に酒粕で蓋をして軽く塩をふります。 酒粕も味噌と共に熟成されて美味しくなるし、アルコールの殺菌効果もあって一石二鳥なのです。味噌完成後は味噌と酒粕を全部混ぜても使ってもよし、酒粕部分だけ取り除いて粕汁等に使用してもよし。

酒粕で 蓋純米酒の酒粕を薄く伸ばして蓋をします。

酒粕と塩で 蓋酒粕の上からパラパラと塩をふって完成!
味噌作りの作業はこれで終了。 あとは、風通しの良い涼しい場所で来年の秋まで寝かせて完成です。総重量の一割程度の重石をしてもいいのですが、なくても問題なく熟成するので、最近はこのままにしています。ちなみに、夏にやるべきとされている「天地返し」という味噌の上下をひっくり返すようによく混ぜる作業も、我が家ではやりません。今までやったことがないけれど、この十二年間一度も失敗したことがないので省略しています。
こんな感じで、今年の味噌作り(娘の)も、無事終了しました。 次は私が自宅用の味噌を仕込む番。ざっとこの四倍の量を一人で仕込むので、毎年、終わったあと数日は筋肉痛です。かなり気合を入れないと挫折しそうですが、向こう一年間の美味しいお味噌汁のために頑張りたいと思います!
この一年間、ブログを書くことを通じて自分たちがどんな暮らしをしているかを再確認するとても良い機会をいただきました。 改めて思い返してみると、好きな時に好きなことを好きなだけ。自由気ままな島根暮らし、とっても楽しいです!
拙文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
▼西原さんの記事一覧
《vol.1》江戸末期に建てられた古民家と出会う 《vol.2》引越しと改修 床を貼り壁を塗る 《vol.3》とある夏の日 食堂店主の朝から晩まで 《vol.4》私の好きな場所 《vol.5》秋の味覚とご近所さん 《vol.6.》秋の草花あそび 《vol.7》我が家のおせち 《vol.8》五十猛のグロを見に行く 《vol.9》「手前味噌」をつくる
◆◇◆━━━━━━◇ プロフィール ◇━━━━━━◆◇◆

【名前】西原貴美(にしはらたかみ) 【居住市町村】大田市五十猛町 【UターンorIターン】Iターン 【移住前の居住地(都道府県)】岡山県 【年代】40代 【お仕事】料理人 / フレル食堂店主 【好きなこと】犬、植物、本、ごはん、煎茶道、着物 【Love shimaneとしてひと言】 海と山との距離、町の大きさ、気候。その全てが、私にはちょうどよくて住みやすい。特別なことはないけれど、季節ごとの五十猛での日々の暮らしを綴ります。
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