シルパトは“非効率な快楽”。並んで空振りしても、35歳女性がボンボンドロップシールにハマる理由

シルパトは“非効率な快楽”。並んで空振りしても、35歳女性がボンボンドロップシールにハマる理由

ぷっくり、うるうる、ちゅるりん……透明感ある「ボンボンドロップシール」(ボンドロ)をはじめ、ぷっくりとした質感がかわいい立体シールやシール帳が大ブームを巻き起こしている。その勢いは女児だけにとどまらず、大人をも虜にするほどだ。

 しかし、ブームが喧伝されると同時に「そこまでして欲しいの?」と、シールをめぐる熱狂は、ときに冷ややかな目線を向けられる。SPA!編集部員の筆者(35歳の“平成女児”)も、それを実感する一人だ。仕事の合間に店を回り、再販情報を追い、ときには一日中歩き回る。冷静に考えればかなり非効率的な行動であるが、それでも実際に“シルパト”を続ける当事者として、その理由を振り返ってみたい。

お気に入りのシールを貼ったバインダー、交換用バインダーなど毎日2~3冊のシール帳を持ち歩いている

◆冷ややかな目で見られるシールブーム

 端から見れば、ブームに翻弄されているだけに見えるかもしれない。

 今や人気のキャラクターシールは、定価500円のところ1枚3000円程度で取引されるものもあり、転売ヤーが参戦。窃盗事件や、偽物を販売する者が逮捕される事件まで発生した。

 一部のモラルなきシール蒐集家が開店時にダッシュしたり、店員に詰め寄る、店内で品出しを地蔵のように待機するといった迷惑行為の数々も、年明け以降に各地で散見されるようになった。

 筆者が1月に山手線沿線のとある雑貨店で“シールが1枚買えるかもしれない”「抽選販売」に参加した際は、15分間の待機列形成の間に1000人近くが集まり大混戦。シール購入権利が当選したのは150人程度のようだった。

 500円程度のシールのために人員を割き、クレームに対応し……。自身も列の一員となりながらも、対応する店員さんには頭が下がる思いしかない。

 正直、そこまでしてほしいのか、と言われても仕方がない状況ではある。

上階のシール売り場を起点に、列は階段に沿って下階へと伸び、最後尾は店外に達していた

◆でもやるんだよ! 理屈を超えたシール愛

 筆者は、休日や仕事の合間にシールが売っている店をパトロールする「シルパト民」だ。特にサンリオが大好きで、韓国限定のサンリオのシールのために、日帰りでソウルの問屋にパトりに行くほど夢中なのだが、基本的には渋谷や新宿などのターミナル駅周辺の量販店や雑貨屋をウロウロして、ボンドロの出現があれば競歩で向かう。

マイナス10℃のソウルでシルパト。お目当てのサンリオシールを見つけて血走りまくり寒さを感じない
 出現情報は、シルパト民が集うオープンチャットやXなどをチェックしている。

「池袋の〇〇にディズニーのボンボンあり」「一人一種3枚までです」「もう枯れました」といった現場の情報がリアルタイムで共有されるのを参考にし、時には「和柄が出てます」などと投稿することもある。

 日々、ランチや休憩を取る間も惜しんで、一店舗でも多く周り、ときたまシールに出会えるのがやりがいだ。

 まず、現在のシール販売は「いつ・どこで」売られるかわからないことが多い。先述した対面での抽選販売や、告知の上での販売は長蛇の列になるため、大手量販店ではオンラインでの抽選販売、家電量販店や雑貨店ではゲリラ販売を行うケースが多い。

・そもそも入荷しているかわからない
・いつ品出しされるかわからない
・欲しい絵柄がある/残っているとは限らない
・抽選は外れる可能性がかなり高い

……と、常日頃慣れ親しんだオンラインショッピングとは真逆の、超非効率な購買体験だ。

 それでもシルパトに繰り出すのはなぜか。

 きっかけは、年明けにボンドロの「たまごっち」が再販されたことだった。すでに市場からは完売しており、フリマアプリで4枚1万円ほどに高騰していたたまごっち。懐かしの“まめっち”や“くちぱっち”のぷっくりしたシールは、たまごっち初期世代の筆者には「何がなんでもほしい」と思わせるパワーがあった。


配信元: 日刊SPA!

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