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桐島かれんさん 和菓子を習う作って味わう新たな楽しみ

桐島かれんさん 和菓子を習う作って味わう新たな楽しみ

食べる楽しみだけでなく、〝作る〟ことで見えてくる、和菓子の奥深さと、熟練した職人技の美しさ。
繊細な手仕事と、できたての優しい甘さを味わうひとときは、和菓子という伝統文化の素晴らしさをあらためて感じさせてくれるものでした。

手の込んだ和菓子に刻まれた歴史に触れて

幼い頃、母は京都に行くと、和三盆とそばぼうろをよくお土産に買ってきてくれました。
それをお盆にのせて妹や弟と〝お茶ごっこ〟をするのが、私たちの定番の遊び。

「結構なお点前で」と覚えたての言葉を使ったり、茶器の裏側をのぞいてみたり……。それが和菓子を好きになったきっかけかもしれません。

かつて住んでいた家の近所にはこぢんまりとした和菓子屋さんがあって、よくお饅頭を買ったり、お祝いの日にお赤飯を注文していました。最近は残念ながら街の和菓子屋さんも減っていますが、それでもできるだけ、昔ながらのお店で選びたいと思っています。

今回は、食べるだけでなく〝作る〟ことで、和菓子の魅力をより深く味わおうというのがコンセプト。

東京・池袋の「自由学園明日館」で、ワークショップを開催している和菓子職人の永用昌也さんに、季節の上生菓子作りを習いました。

ちなみに、明日館はフランク・ロイド・ライトの設計で知られ、幾何学模様が施された窓や背が六角形になった椅子など、細部まで意匠が凝らされているのが素敵です。

今回教わったのは、秋を先取りした「菊」と「桔梗」の2種。
桔梗は紫と白の餡を重ね、その上に黒糖餡を置いて包み、指で押して花びらを形作っていくのですが、意外と難しい!

プロの仕上がりには及びませんが、できたての和菓子はふんわり柔らかで、格別のおいしさです。

手作りならではの味を楽しみながら、お店に並ぶ美しい和菓子の数々は、熟練の技と手間暇の結晶なのだと実感。
いつまでも残していきたい、大切な文化です。

手作りの干菓子ならではの口溶けのよさを楽しんで

自宅で和菓子作りに挑戦するなら、練り切りよりも手間がかからない干菓子もおすすめ。
「和三盆糖や粉糖、片栗粉などの材料を混ぜて、型に入れて固めるだけ。できたての干菓子は、口に入れた瞬間に優しくほどけるような味わいです」

かれんさん着用:ハウス オブ ロータス 二子玉川店 03-6431-0917

撮影/平岡尚子 スタイリング/吉川恵理奈 文/工藤花衣

大人のおしゃれ手帖2025年9月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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