「万博のレガシー」とは何か

「万博は時代を映す鏡」という言葉があります。先進的な技術の見本市としての役割から21世紀になり、気候変動やSDGsへと万博の存在価値は大きく変わりました。
その一方で、重い心不全患者に移植するips細胞による心筋細胞や、「ips心臓」が常設展示されています。また海外の産業界や行政、投資家などを招き入れるホームとしての価値も万博には求められます。右肩上がりで成長する中で開催された1970年の第一回大阪万博とは異なり、他国と比較してGDPの低下や少子化問題などネガティブな要素もある中で迎えたのが今回の万博です。
また万博の会場である大阪市の夢洲(ゆめしま)には、2030年代を目標として統合型リゾートである海外IRの建設が進められています。2025年にはあらたな地下鉄の駅が開業するなど、もともと廃棄物処分地として開発されたエリアであることから「大阪の負の遺産」と言われていた周辺地域のイメージを大きく変化させました。
万博の会場跡をどのように活用するかも含め、今後の展開に期待したいところです。日本は内需型から、海外からの旅行者や産業を招いてともに成長していく形へ。筆者は、今回の万博(と海外IR)は、このように価値観が変わる「契機」になるのではないかと考えています。
日本を訪れる海外の方にとって、そしてそもそも日本人が今後の自分たちの社会をデザインするにあたって、今回盛り上がった大阪万博がよき契機になることを願っています。
